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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/01/13

【群馬】一括審査方式を初試行


県道路整備課は、昨年12月25日に公告した橋梁上部工製作架設工事3件を対象に、一括で公告と審査を実施する「一括審査方式」を試行する。同時に入札手続きを行う複数工事で、入札参加業者の資格要件の確認に必要な提出書類のうち、内容が重複する書類を共通のものとして扱う。受発注者双方の業務簡素化を図ることが狙いで、県としては初の試みとなる。今後、試行を通して一括審査方式のメリット・デメリットを見極めていく。
対象となる3工事は、「(仮称)近藤川橋上部工桁製作架設工事」(館林市青柳町ほか)、「(仮称)谷田川橋上部工桁製作架設工事」(明和町矢島ほか)、「八間樋橋上部工桁製作架設工事」(板倉町海老瀬ほか)で、いずれも標準型総合評価落札方式の一般競争入札。工事場所は3工事ともに館林土木事務所管内となっており、橋長や径間数は違うが、型式が連続非合成鈑桁橋で共通している。クレーン架設する点など工事内容には重複する部分が多い。同一事務所管内であること、橋梁型式が似ていることなどから「業務簡素化の効果が大きい」(県道路整備課)と判断、試行に踏み切った。
今回の対象工事については、異なる技術提案が行われることが想定されるため、各工事ごとの技術提案書提出は求められているが、内容が重複する書類については共通のものとして扱う。従来の個別公告では、個々に書類を作成する必要があるため、入札参加者の資料作成に関する負担軽減につながる。書類簡素化については業界からも要望があがっており、それに配慮した形だ。発注者側の審査事務作業の軽減にもつながり、受発注者ともに業務の簡素化が見込まれる。今回のケースでは、提出書類の多くを共通のものとして扱われ、1部の作成で3工事にエントリーできる。
一括審査方式試行に際しては「一抜け方式」もあわせて採用。参加資格を満たした県内外の業者が入札できるが、3工事を1ないし2業者が独占受注する可能性を排除、県内業者に対する受注機会の確保が図られている。仮に3工事すべてを県外の大手業者が受注する場合でも、3社それぞれから高い技術やノウハウを学ぶ機会となりそうだ。入札開始日は2月12日、開札日は同月18日となっている。県では今後、一括審査方式試行による効果の見極め作業も進めていく。
一括審査方式は、国土交通省も試行している。国交省の場合、業者の施工体制の確実性のリスク回避のため、配置予定技術者を1人に限定し、事実上の一抜け方式が適用されている。