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建通新聞社
2015/01/29

【大阪】三大水門新設など4案 新津波対策1次選定

大阪府都市整備部は、新たな津波対策として、三大水門(安治川、尻無川、木津川)の改良・新設案など全4案をまとめた。1月26日に行われた府河川構造物等審議会の第1回津波検討部会で審議(1次選定)されたもので、2015年度中に最適案(2次選定)を絞り込む。
 1次選定では、前回の会合で示された水門による防御案6案(案1〜6)と減勢施設による防御案3案(案1〜3)の全9案から、実現性や効果といった基礎的な項目を比較し、4案(水門案1・2統合案、同5、減勢施設案1、同3)に絞り込んだ。
 水門案1は、現施設の扉体を取り換える改良案で、水門案2の新設案と統合したもの。最終的には改良と新設のコスト、効果を詳細に比較し、対策内容を固める。概算工事費は改良案が180億円、新設案が230億円。総幅延長はともに246bで、4案中最も小さくなる。
 水門案5は、咲洲地区の南北各1カ所に水門を新たに設置。大阪港内に設置する新水門数を最も少なくできる。一方で、工事規模は総幅延長846b、概算工事費1400億円と大きくなる。
 減勢施設案1は、港湾計画に将来整備することが位置付けられている防波堤をさらに延伸するもの。設置場所は大阪港の外側。総幅延長は2381b。工事費に380億円を概算。別に液状化対策費なども必要になる。
 減勢施設案3は、三大水門の下流側に、直立浮上式ゲート、ゴム膜式の津波防御施設、流起式可動防波堤などの設置を想定。津波の波力を三大水門に到達する前に弱め、被害を低減させる効果がある。総幅延長は246b。工事費に150億〜200億円を概算する。
 三大水門は、いずれも完成から44年を経過する高潮対策用のアーチ型水門。東日本大震災後、津波に対しても扉体を閉鎖することになったが、波高によっては損傷する可能性が判明。有識者による検討部会で新たな津波対策の検討を進める。
 津波検討部会メンバーは、戸田圭一京都大学大学院教授(部会長)ら6人。来年度に複数回の検討部会を開き、最終的に府知事に答申する。