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福島建設工業新聞社
2015/02/06

【福島】県が設計・工事にも補助創設/公表義務化の大規模建築など

 県は改正耐震改修促進法に基づく大規模建築物・避難施設の耐震化に当たり設計、工事費に助成するため27年度当初予算案に2億7388万5000円を計上した。改正法では、旧耐震基準で建設された一定要件下の不特定多数利用や避難確保上、特に配慮が必要な大規模建築物には、今年12月31日まで耐震診断の実施と結果の公表が義務付けされた。県は今年度創設した診断費用補助に加え、その後の設計、工事も助成対象とすることで、所有者の経営計画作成を支援したい考えだ。一方、所有者の持ち出し分については、県が新たに創設する低利の貸付融資制度が活用でき、補助と融資の両面による手厚い支援で耐震化の早急な取り組みを促す。
 改正耐震改修促進法では、不特定多数が利用する大規模建築物等の耐震診断が義務化されており、27年末までに耐震診断の実施と報告を義務付け、その結果を公表することとした。
 これには民間建築物も対象となっており多大の費用負担が発生するため、診断費用のうち2分の1を国、3分の1を県が負担。所有者は6分の1の負担で済む上、さらに各市町村が助成を上乗せすることもでき、事業者負担はさらに軽減している。
 今回は診断後、改修工事が必要となった場合の設計費、工事費に対しても補助を広げた。補助の対象は診断同様、昭和56年5月以前に建築された民間の大規模建築物で@不特定多数が利用A避難確保上、特に配慮を要する者が利用する病院、店舗、旅館、学校、老人ホーム等と、県が指定する防災拠点建築物(被災時に避難所等として利用される建築物)。
 耐震改修設計は国が2分の1、県・市町村が3分の1の助成を行い、所有者負担は6分の1。耐震改修工事の場合は、大規模建築物等が国が3分の1、県・市町村が11・5%を持ち、所有者が55・2%を負担する。防災拠点は公的な性格が強いためさらに手厚く、国が5分の2、県・市町村が3分の1を持ち、所有者は15分の4となる。
 所有者が負担する費用に対しては、県が新年度予算案で創設する低利融資制度が活用できる。予算は25億円で融資枠は50億円。事業用建築物を保有する中小企業等が、建築物の耐震化を行う際に利用できるもので、公表義務化の大規模建築物に限らない。耐震診断・設計・工事のいずれにも利用できる。上限1件当たり2億円で返済利率は変動1・5%以内、固定1・9%以内。償却期間を考慮し最長20年の借入が可能。県内各金融機関で取り扱う。