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建通新聞社
2015/02/16

【大阪】大阪市 夢洲観光ゾーンにIR/駅は中央部

統合型リゾート(IR)の誘致に備え、大阪市は、候補地とする夢洲地区の土地利用別ゾーニング案をまとめた。同案によると地区中央に鉄道駅(仮称・夢洲駅)を設置。駅の南西側約80fを観光ゾーンに位置付け、誘致を目指す。併せて、今後必要となる埋め立ての見通しも示した。インフラ整備については、夢洲〜舞洲間に観光用のアクセス道路を新規に検討することを盛り込んだ。
 ゾーニング案では、地区の全体面積約390fを、緑地・メガソーラー(1区)約70f、観光(2〜3区)約80f、産業・物流(3区)約20f、リザーブ@〜A(2〜3区)約110f、国際物流(4区)約100fのゾーンに分けた。
 観光ゾーンのうち、夢洲駅の南西側に接する約30f(3区)は、早期利用が可能なコアゾーンとして、埋め立てを急ぐ。IRの誘致候補地として見込んでいるようだ。
 コアゾーンに必要な埋め立てボリュームは残り約80万立方b。3区では毎年、約20万立方bずつ埋め立て中であることから、現在のペースでも2017年度末までの完了が可能とみる。
 コアゾーン以外については、埋め立てを早める場合、市の建設発生土だけでは長期間を要するとし、港湾局の担当者は「淀川左岸線の建設発生土など、他の埋め立て資材の活用を検討する」との考えを示した。
 交通インフラのうち鉄道については夢洲駅を発着点とし、北ルート(京阪中之島線延伸、JR桜島延伸)と、南ルート(中央線延伸)の2方向からネットワーク化を検討。地区内の移動手段は別途検討することとした。
 道路は、阪神高速道路の湾岸夢洲ランプからのアクセスを基本に、夢洲〜舞洲間の夢舞大橋は、現行の4車線を6車線に拡幅。将来的には新規ルートを整備し、物流(コンテナ車など)と観光の通行を分離する方向性が示された。
 これらの案は夢洲まちづくり構想案(中間とりまとめ)として、夢洲まちづくり構想検討会の第2回会合で審議。交通インフラの整備に向けては、IRなどの開発計画が具体化する段階で、整備内容、実現方策、整備時期、費用負担について関係者と協議調整し、詳細を詰める。
 関西経済同友会の齊藤行巨事務局長は、「IR誘致ではホテル不足の解消が必要になる。建設地の確保へ、コア以外の埋め立てをスピードアップできる方法を考えてほしい」と指摘。
 徳平隆之港湾局長は「まだまだ埋め立てが必要な部分は多い。開発事業者とも対話し、できるだけ意向に沿った形で進めていきたい」と話した。