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北海道建設新聞社
2015/02/20

【北海道】道がインフラ長寿命化へ行動計画素案まとめる 

 道は、北海道インフラ長寿命化計画(行動計画)の素案をまとめた。メンテナンスサイクル構築など3つの柱を施設管理の基本的な考え方に設定し、柱に沿った取り組みをダムや治山施設といった施設ごとに工程表として明示。併せて、全施設の個別長寿命化計画を2020年度までに策定する方針を掲げた。年度内に原案をまとめ、15年度の早期に計画を決定する。
 これは、国のインフラ長寿命化基本計画に基づく道の行動計画で、総務省が地方自治体に策定を求めている公共施設等総合管理計画を兼ねる。
 計画期間は15年度からおおむね10年間。道が管理する全ての施設を対象としている。道全体の維持管理・更新などに関する取り組み方針を示した共通編と、施設ごとの具体的な取り組みを明示した施設編の2つで構成する。
 共通編を見ると、道が管理する施設のうち、建設後50年を経過する施設の割合が20年後に多くの施設で50%を超えるなど、急速な施設の老朽化により、維持管理・更新などに関する費用が増大する懸念があることを指摘した。
 このほか、面積の広さから管理施設数が他の都府県に比べて非常に多いことや、全国を上回るペースで進行する人口減少、行政の技術職員数や建設業の担い手不足も課題として挙げている。
 こうした課題を踏まえ、施設共通の管理に関する基本的な考え方として、@メンテナンスサイクルの構築Aトータルコストの縮減・平準化Bインフラ長寿命化に向けた推進体制―の3点を柱に据えた。全施設での定期点検実施や個別施設ごとの長寿命化計画策定、新技術の導入によるコスト縮減、建設業の担い手確保に向けた取り組み強化などを施策の方向性に定めた。
 PDCAサイクルで計画を推進するほか、国や市町村との連携などを通じて、より効率的・効果的な維持管理・更新の方策などを検討するとした。
 施設編では、道が管理する施設を交通や農林水産基盤、建築物など6つの大分野と22の小分野に分類し、3つの柱に沿って具体的な取り組みを明示。自然公園内の人道橋は15年度までに点検要領を策定し、16年度から5年に1回の頻度で遠望か近接による目視点検をするなど、施設ごとに点検・診断の頻度や方法、実施時期を示した。
 個別施設の長寿命化計画策定時期も明記。13年3月末で112カ所あるトンネルは18年度、治山ダムと集水井工を合わせて14年3月末で2万4773基ある治山施設は20年度とするなど、全施設で20年度までに長寿命化計画を定めるとした。
 23日からパブリックコメントを募集し、年度内に原案を作成。15年度の早期に計画を定め、15年夏に実施する16年度に向けた国への施策提案・要望に活用する。