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建通新聞社
2015/02/27

【大阪】大阪府 大深度地下ルート3パターンを比較

寝屋川北部地下河川鶴見立坑〜北部排水機場間での大深度地下利用を検討する2014年度大阪府河川構造物等審議会の第1回大深度地下使用検討部会(部会長・三村衛京都大学大学院教授)が2月24日に開かれ、最適なルート選定へ、従来計画を含む2ルート3パターンを比較検討することを決めた。府都市整備部の担当者は、「次回会合(3月予定)で各パターンの大深度深さや概算事業費をまとめ、示したい」とした。事業化に向けては15年度に、国との協議や都市計画決定の手続きを進める方針だ。
 比較パターンは、寝屋川北部地下河川と道路の都市計画が決定済みの「都市計画道路下ルート案」、城北立坑から排水機場までを直線で結ぶ「直線ルート案」、「従来計画案(大深度利用なし)」の3パターン。
 延長は、従来計画案と都市計画道路下ルート案が4684・2b(うち大深度利用3549・7b)、直線ルート案が4463・7b(同3329・2b)。内径はいずれのパターンも上流部9000_、下流部1万1500_を想定する。
 概算事業費については、パターンごとに大深度深さを決定し、シールドのセグメント構造や施工コストを精査して試算する。深度設定に当たっては想定地層断面図の作成が必要となるため現在、基礎データ把握のための土質調査を急いでいる。
 委員からは、「ルート直上ではなく近接地での土質調査しかできないということなので、計画地の地層を正確に把握するためにも、想定地層断面図を3次元で作成するべき」などの意見が出た。
 三村部会長は「地下河川の対象ルートは上町台地より東西に傾斜した難しい地層地帯だが、地盤の専門家を招集してもらっており、いい成果を出せると思う」と語った。
 部会構成員は、部会長のほか、大阪市立大学大学院教授の阿部昌樹氏と大島昭彦氏、地域地盤環境研究所主任研究員の北田奈緒子氏、立命館大学教授の建山和由氏、京都大学大学院教授の戸田圭一氏−の計6人。
 大深度地下利用の対象区間は、寝屋川北部地下河川整備のうち未着手で残る鶴見立坑〜城北取水立坑間約1・7`(鶴見調節池)と城北取水立坑〜北部排水機場間約2・9`(都島調節池)の計約4・6`のうち、内環状線から最下流部までの約3・5`となる。
 府の担当者は、「未整備部分が完成すれば貯留施設ではなく地下河川として供用開始でき、浸水被害軽減に大きく寄与する。早期事業化を図りたい」とした。