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建通新聞社(東京)
2015/03/10

【東京】都有識者会議 東京8号線延伸など“必要”

 東京都都市整備局は、有識者委員会が進めている「広域交通ネットワーク計画」の検討状況を中間的にまとめた。2000年の運輸政策審議会の答申で「15年までに整備着手することが適当(A2路線)」「今後の整備を検討すべき(B路線)」となった路線について、多くの課題があるものの「ネットワークの強化や周辺路線の混雑緩和といった効果が見込まれる」と判断。15年度中とされる同審議会の新たな答申での位置付けについてさらに詳細な検討を加えることとした。特に東京8号線延伸(豊洲〜住吉)と東京12号線延伸(光が丘〜大泉学園町)、多摩モノレール延伸(箱根ケ崎方面、町田方面)の4路線と、答申になかったJR東日本羽田アクセス線については「開業が適当」などの位置付けを目指す見通しだ。都は15年度中に考え方を取りまとめ、国に提出する。
 現答申で「15年までの開業が適当(A1路線)」とされた▽副都心線▽つくばエクスプレス▽日暮里・舎人ライナー―など16路線については、既に開業または事業に着手している。
 A2路線は▽東京1号線東京駅接着▽東京8号線延伸(豊洲〜住吉)▽東京8号線延伸(押上〜野田市)▽東京9号線複々線化(和泉多摩川〜新百合ケ丘)▽東京11号線延伸(押上〜松戸)▽東京12号線延伸(光が丘〜大泉学園町)▽新空港線「蒲蒲線」▽JR中央線複々線化▽JR京葉線延伸▽JR総武線・京葉線接続新線▽ゆりかもめ延伸▽多摩都市モノレール延伸(箱根ケ崎方面)―の12路線。また、B路線として▽東京9号線延伸(唐木田〜横浜線・相模線方面)▽東京10号線複々線化(調布〜笹塚)▽東京12号線延伸(大泉学園町〜武蔵野線方面)▽区部周辺部環状公共交通▽羽田空港アクセス新線▽つくばエクスプレス延伸▽東海道貨物支線貨客併用化▽多摩モノレール延伸(町田方面)▽多摩都市モノレール延伸(八王子方面)―の9路線が位置付けられている。
 しかし、いずれも事業主体や採算性に課題があり、都内の全路線が未着手の状況。中間まとめでは、現答申に位置付けられたA2・B路線は課題がある一方で「多くの整備効果が見込まれる」と指摘。特に整備効果が高いと見込まれる東京8号線延伸(豊洲〜住吉)など5路線について、課題と対応の方向をまとめた。
 東京8号線延伸(豊洲〜住吉)については、東西線の高い混雑率の緩和や利便性の向上を整備効果に挙げ、採算性の確保を前提とした事業主体と枠組み(スキーム)の検討を深めることが必要とした。
 東京12号延伸(光が丘〜大泉学園町)は、鉄道利用が便利でない区域内を結ぶことで沿線の利便性が向上すると見込んだ。沿線まちづくりの具体化などによる将来的な需要の確保と、事業スキームの検討を求めている。
 多摩モノレール延伸(箱根ケ崎方面、町田方面)は、多摩地域の南北方向を中心とした拠点間の連携強化や沿線の利便性向上、活力向上につながると判断。施設整備を担う鉄道事業者、道路管理者(自治体)ともに財源の確保が課題となるため、幅広い費用負担の在り方を含めた事業スキームの検討が必要だとした。モノレールの導入空間となる道路が未整備の区間や都市計画のない区間もあるため、道路整備の計画や事業手法の検討も求めている。
 JR東日本羽田アクセス線は、羽田空港への安定的な輸送を確保でき、国際競争力の強化にもつながることを整備効果として挙げ、関係機関による事業費や事業計画、スキームの調整などが必要だとしている。