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福島建設工業新聞社
2015/03/26

【福島】陸上風力発電/適地選定し事業者公募

 県は新年度、陸上風力発電適地調査を実施し、適地選定後の年度後半にコンソーシアム方式による事業者公募を行う予定だ。福島市内で25日に開かれた第4回県イノベーション・コースト構想の具体化に関する県・市町村検討会議で、県が明らかにした。同会議では、分科会が検討してきたエネルギー関連産業と農林水産分野両プロジェクトの第1次取りまとめ案を提示。来月にも県の新生ふくしま復興推進本部会議と政府主導の同構想推進会議に報告し、今夏に案取りまとめが予定されている将来像有識者検討会議提言と、28年度政府予算概算要求への反映を求めていく。
 陸上風力発電については、環境アセス、法規制などのハードルが高いことから、県が自ら県内の法規制、環境、送電線等の状況を調査するとともに、関係市町村をはじめ有識者に意見を聞きながら、阿武隈山系や沿岸部で1カ所10万`h程度、合計50万`h程度の適地を選定する。
 適地選定後、年度後半に事業者を公募し事業化を支援する。同方式では風力発電事業者、地元業者、風車メーカーなどを構成員とし、まとまった規模の風力発電事業を進めることで、計画的な送電・風車搬入ルートの設定や効率的な事前調査を実現し、風力発電の大量導入を図りたい考えだ。
 エネルギー関連産業プロジェクトの第1次取りまとめでは、原子力に依存しない新たなエネルギーの創出による復興の加速化など3つの柱に沿った10プロジェクトを提案。それぞれスケジュール見通しと必要な施策を明示した。
 プロジェクトは@避難地域・再生可能エネルギー復興支援A風力発電拠点形成(陸上・洋上)B小水力発電導入拡大C高効率石炭火力発電(IGCC)D天然ガス(LNG)火力発電E天然ガス(LNG)の地域利用促進F復興まちづくりのためのスマートコミュニティ形成G水素によるエネルギー貯蔵・効率的利用Hバイオマス(メタン・発酵・藻類)I浜通りのポテンシャルを生かした産業の集積の10件。
 陸上風力発電以外で27年度内に動き出すのは、横川ダム(南相馬市)の小水力発電導入、新地町の天然ガスを活用した環境産業共生型復興まちづくり構想策定など。
 農林水産分野プロジェクトは@水稲超省力・大規模生産A畑作物大規模生産B環境制御型施設園芸構築Cフラワー・コースト創造D阿武隈高地畜産業クラスターE作業支援F県産材の新たな需要創出G水産研究拠点整備の8件に整理。プロジェクトごとのねらいや進め方、想定ロードマップを明示した。
 環境制御型施設園芸構築プロジェクトでは新年度、大熊町で検討している閉鎖型植物工場、いわき市で民間事業者が進める太陽光利用型植物工場の整備を支援する。
 フラワー・コースト創造プロジェクトでは、環境制御型大規模花き園芸団地の形成などに取り組むほか、オランダの「キューケンホフ公園」をイメージした花き植物園(国営公園)の整備検討を提案することを盛り込んだ。
 県産材の新たな需要創出プロジェクトには、CLT(直交集成板)技術導入へ向けた木材加工・流通施設の整備検討、縦ログ工法の利用推進、木質バイオマス施設の導入等を明記した。
 関係省庁等が個別検討している@ロボット研究・開発実証拠点等A国際産学連携拠点Bスマート・エコパークの3プロジェクトに関しては、内閣府原子力災害現地対策本部の豊島厚二総括班長が「来週をめどに中間取りまとめし、公表する」との見通しを示した。