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建通新聞社(東京)
2015/03/27

【東京】都 WTO対象以外は「ロアリミット」適用

 東京都は入札不調緊急対策の一環で、原則として全ての工事に最低制限価格制度を適用する方針を固めた。中長期的な公共工事の担い手確保の視点から事業者(受注者)が適正な利潤を確保できる環境を整え、都の入札への参加意欲を高めてもらうことが目的。WTO政府調達協定の対象工事(予定価格20億2000万円以上)を除く工事を対象に、2015〜17年度の臨時的措置として運用する。
 20年のオリンピック・パラリンピック競技大会の関連工事発注の本格化を控え、都は「入札不調の解消に向けた喫緊の対応」「中長期的に公共工事の担い手を確保する取り組み」の大きく二つの観点から入札不調緊急対策を打ち出した。
 このうち最低制限価格制度については、中長期的な担い手確保の視点で積極的に活用することにした。
 財務局のまとめによると、都の14年度の入札不調の発生率は建築工事で22・1%、設備工事で4・1%、土木工事で16・1%となっており、建築と設備は前年度同期と比べ若干改善されつつあるものの高止まりの傾向にある。都発注案件の半数を占める土木工事の不調は増加しており、特に第3四半期(10〜12月)に急増しているという。また、金額帯で見ると、最低制限価格制度の適用案件(予定価格4億円未満)では2・5ポイント増の15・6%、低入札価格調査制度の対象案件(同4億円以上)は9・1ポイント増の21・8%になっている。
 低入札価格調査制度は現在、建築工事で予定価格5億円以上、土木工事で4億円以上、設備工事で1億2000万円以上の案件に適用している。案件ごとに異なるものの予定価格の70〜88%程度の範囲を調査基準価格として設定し、これを下回った場合に調査を実施しているが、特別重点調査(同70%程度未満)の対象を除いて、応札額のまま契約するケースが大半を占めている。
 こうした状況の中で都は、技術者の拘束期間が長い上に、価格競争によって利潤が低いと判断した工事について事業者が入札参加への意欲を失っていると判断。五輪関連の工事発注の本格化を前に、WTO対象案件を除く全ての案件に最低制限価格を適用することで、事業者が適正な利潤を確保して持続的に事業を展開できる環境を整えることにした。落札率を実質的に引き上げることで、都の発注する工事への入札参加意欲を高めることを狙う。