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日本工業経済新聞社(茨城)
2015/05/08

【茨城】県港湾課が常陸那珂港区の石炭灰処分場で近く本体工

 東京電力鰹陸那珂火力発電所から要請を受け県土木部港湾課が進める新石炭灰処分場(ひたちなか市長砂、茨城港常陸那珂港区)の本体工事が近く発注される。4月28日に公告された捨石傾斜堤(既設護岸取合部)の護岸築造(その1)に続いて、それを覆う護岸築造(その2)や、ハイブリッドケーソンの製作、基礎がそれぞれ発注される。そのうち護岸築造(その2)は、WTO適用工事(政府調達対象:発注金額20・2億円以上)の大型発注案件になりそうだ。
 現在の石炭灰処分場(約43ha)が数年で満杯になることから、東京電力からの要請に基づき、現処分場の沖合に新たな処分場を建設する。水面約56haを遮水性のある外周護岸3000mで囲んで完成させる。
 3000mの内訳は、鋼板セル工法の部分が1826m、ハイブリッドケーソン工法の部分が774m、既設処分場との接合部分である捨石傾斜堤の部分が400m。
 整備期間は新年度から2019年度まで5カ年。石炭灰の受入容量が約1000万立方m。埋立期間に19〜39年度を見込む。
 整備費は約900億円(税込み)。うち護岸整備に約800億円、仮設工事と委託事務にそれぞれ約50億円。うち護岸整備は、国へ委託する鋼板セル工法の部分が約480億円、県によるハイブリッドケーソン工法と捨石傾斜堤の部分が約300億円。余水処理施設とその他工事が約20億円。
 鋼板セルは、関東地方整備局の発注見通しによれば、第2四半期に工事3件に分けて発注される。工期は約47カ月。鋼板セル工のほか、海上地盤改良工、基礎工、上部工、付属工、仮設工の各一式が示されている。工事規模はそれぞれ50億円以上。
 ケーソン工法と捨石傾斜堤の一部についても、高度な技術を要する海中での遮水工が計画されており、一体的な遮水性能を確保する必要があることから、WTO適用工事を含めた工事となりそう。
 県では、すでに仮岸壁築造工事2件を4月21日に公告(開札は6月17日)。次いで28日には護岸築造工事(既設その1)を公告した(開札は6月24日)。この工事では既設護岸取合部の後ろに裏込石を投入する。
 これに続いて、裏込石を投入した部分を遮水シートで覆う「護岸築造工事(既設その2)」を近く発注する。工期に42カ月を設定したWTO適用工事を想定している。
 ケーソン式護岸部では、まずケーソン製作工事と基礎工事の部分を第1四半期及び第2四半期に発注して工事を進めた後、第2四半期に護岸築造を発注して仕上げていく。
 ケーソン製作については、製作ヤードの関係から常陸那珂港区及び日立港区で製作する。常陸那珂港区においては、その1工事でハイブリッドケーソン4函、その2工事でハイブリッドケーソン3函、RCケーソン2函を製作予定(工期12カ月)。日立港区においては、その3及びその4工事でRCケーソンを4函ずつ製作予定(工期6カ月)。基礎工事は4件で、うち2件が北側、残り2件が西南側。それぞれ工期5カ月。護岸築造は、製作したケーソンの据付と裏込工、遮水工。北側と西南側でそれぞれ2件ずつ行う。工期39カ月。
 工事終盤には余水処理施設が発注され、2019年度に完成予定。同年度から石炭灰の受入開始を見込む。なお灰処分が完了した後は、県の埠頭用地や港湾関連用地として活用を見込んでいる。