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日刊建設工業新聞
2015/05/28

【鳥取】橋りょう長寿命化計画で対象拡大、橋長2b以上2060橋のうち507橋を集中補修 /県土整備部7月にも改定 予防保全型修繕でコスト縮減

 県土整備部は2008年度に策定した「道路橋りょう長寿命化計画」を7月にも改定する。橋長2b以上の全2060橋に対象を拡大し、これまでに実施した点検結果を踏まえ、「早期に措置すべき状態(健全性V)」と判定した507橋を今後集中的に補修する。また、損傷程度が低い段階で手を加える「予防保全型修繕」を一層推進する。
 09年度の第1回改定で同部は、県が管理する15b以上の橋りょう全700橋を計画対象に組み入れ、損傷度T〜Xの5段階で評価。うち対策検討が必要なV以上の449橋は、特に損傷が激しいW〜Xの70橋はすべて修繕を完了したのをはじめ、184橋(41%)で修繕を終えている。
 今回の改定では、計画対象を2b以上の全2060橋に拡大。また、点検結果の評価を「健全性T〜W」までの4区分に見直す。
 14年度までに実施した2060橋の点検結果によると、健全性Wの通行止めが必要な「緊急措置段階」の橋はなく、Tの「健全」が369橋(18%)、Uの「予防保全段階」が1184橋(57%)、Vの「早期措置段階」が507橋(25%)あった。(=表参照)
 同部は今後、橋機能に支障を来す恐れのある健全性Vの507橋を重点補修し、早めに予防保全段階への移行を目指す。
 道路橋は1990年代にかけての建設ラッシュを受けて、今後増大する維持管理コストが課題となっている。このため同部は5年に一度の点検サイクルを継続する一方で、劣化が進む前に補修する「予防保全型修繕」によってコストを縮減させる。
 向こう50年間の試算では、従前の劣化したカ所を補修する「事後対症型修繕」の費用総額720億円に比べて、予防保全型は560億円。同部は「今後10年間(2025年まで)は予防保全型の方が高くつくが、その後2065年にかけて低減し、トータルでは事後対症型よりも160億円以上安くなる」(道路企画課)と予測費用を分析している。
 これから見直し細部を詰める7月の計画改定では、今後の修繕方針として予防保全型修繕への転換をさらに図り、ライフサイクルコストを縮減させることも盛り込む。