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建通新聞社四国
2015/06/05

【香川】香川県ため池耐震検討委 先代池など4池で耐震化補強工事必要

 香川県ため池耐震化整備検討委員会(委員長・毛利栄征茨城大学農学部教授)の本年度第1回目の会合が2日に開かれ、県内6市3町の18池のため池耐震点検調査結果を検証。このうち堤高10b未満の先代池(丸亀市)1池や、堤高10b以上の桑崎池(高松市)、大桑池(綾川町)、新池(まんのう町)3池など計4池が国の現行基準での安全率1・2に届かないとして、総合的に耐震化補強工事が必要との検討結果を示した。県は4池について2015年度中に基本計画を作成し16年度からの耐震化補強工事の実施設計と工事着手を目指す考えだ。
 検討委に県は堤高10b未満のため池で▽宮池(さぬき市)▽国下池(三木町)▽久米池(高松市)▽大池(高松市)▽渡池(高松市)▽四手池(坂出市)▽道池(丸亀市)▽先代池(丸亀市)▽水上池(三豊市)▽白坂池(三豊市)▽皿池(三豊市)▽亀尾池(観音寺市)―の12カ所について、安定解析での結果を提示。このうち先代池(堤長928b、堤高6b、貯水量32・6万d)が国の現行基準の安全率1・2以上(安全率20%見込む)を下回るとして、総合判定で耐震化補強工事が必要だと判断した。
 防災上重要度の高い堤高10b以上のため池では▽宝池(高松市)▽奥谷池(高松市)▽桑崎池(高松市)▽鵜生池(綾川町)▽大桑池(綾川町)▽新池(まんのう町)―の6カ所について、県は現行基準の安定計算結果や長時間地震動による強度低下を考慮した解析結果を提示。検討委でいずれも南海トラフを想定した地震動に対し、堤体は直ちに決壊までに至る大きな強度低下は示さないことが確認されたものの、桑崎池(堤長130b、堤高14・8b、貯水量10・8万d)のみが国の現行基準での安全率1・2に届かないとして耐震化補強工事が必要だと判断した。
 東日本大震災でのため池決壊による甚大な被害を教訓に、東南海・南海地震などの大規模地震に備えて県は11年度から貯水量10万d以上の大規模ため池137池を対象に耐震点検調査を展開中。今回までに63池の検討が終了、残り74池についての耐震補強工事に係る判断が残る。74池について県は15年度末までに耐震診断を完了させ、今後、検討委での判断を踏まえて順次耐震補強の具体化が進捗する見通しだ。
 耐震補強を行うため池整備として今回の4池を含む20池で耐震補強工事に着手する。20池のうちすでに石神池1池の耐震補強工事が14年度に完了した。14池を対象に15年度でため池耐震化の実施設計と耐震化工事に取り組む。実施設計のみのため池では基本計画に盛り込んだ工法について経済性や施工性を検討する。
 今回ため池耐震化補強工事が必要とされた4池は、押さえ盛土や改良盛土などため池に採用する工法を検討しつつ基本計画を作成。16年度以降に耐震化実施設計や工事に着手する。
 15年度に耐震化に取り組む14池は次の通り。
 ▽前池(高松市)▽打越上池(丸亀市)▽奈良須池(高松市)▽大窪池(丸亀市)▽宮池(三豊市)▽粟井新池(観音寺市)▽中山池(東かがわ市)▽山下池(綾川町)▽前池(善通寺市)▽弥勒池(さぬき市)▽音谷池(高松市)▽蛙子池(土庄町)▽梅花池(観音寺市)▽長谷池(観音寺市)