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福島建設工業新聞社
2015/06/25

【福島】小名浜港/港湾計画改訂へ検討着手/震災後の環境変化に対応

 県土木部は、小名浜港の港湾計画改訂に向けた検討に着手する。取扱貨物量の推計や課題整理、施設整備計画の検討など調査業務を外部委託するため、23日付で公募型プロポーザルを公告した。今後、有識者や港湾関係者による長期構想検討委員会を立ち上げ、意見を聞きながら年度内に成果をとりまとめる。イノベーション・コースト構想に位置付けられた高効率石炭火力発電(IGCC)など、震災後の環境変化に対応した港湾機能の向上などが検討の視点になりそうだ。検討結果を基に次年度以降、港湾計画改訂案としてまとめ、県の地方港湾審議会、国の交通政策審議会港湾分科会に諮る。
 現行の港湾計画は15年改訂。大水深化に対応するための一部変更などを行っているが、改訂後既に12年を経過。東日本大震災を経て、取り巻く環境も変わってきている。
 震災後の浜通り地域を再生させるためのイノベーション・コースト構想でも、エネルギー関連産業プロジェクの柱の一つに、東京電力広野火力発電所と常磐共同火力勿来発電所における石炭ガス化複合発電(IGCC)プロジェクトが位置付けられており、施設の稼働に伴って、小名浜港の石炭取扱貨物量の増加も予想される。
 取扱貨物量の変化や、アクアマリンパークなど交流拠点の活用方策の方向性を踏まえ、港湾機能の向上について検討するため、今年度、調査業務を外部委託する。
 調査は小名浜港の現状を把握した上で、取扱貨物量を推計し直すなどして問題点や課題を抽出・分析し、導入すべき機能やゾーニングなどの方向性を検討。推計を踏まえて、ふ頭計画や水域施設計画、土地利用計画など施設整備の必要性の有無も検討する。
 検討に当たって、有識者や港湾関係者で構成する長期構想検討委員会を立ち上げ、意見を聞きながら成果品をまとめる。検討委は年度後半に第1回会合を開き、都合3回の開催を予定している。調査結果は年度内に成果品としてまとめてもらう。