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建通新聞社(神奈川)
2015/07/06

【神奈川】川崎市 防犯灯ESCO、地域企業の協力必要

 川崎市議会の第3回定例会一般質問が7月3日に行われ、15人の議員が市当局の施策などについて質した。建設関連では消防団器具置場、住宅リフォーム、防犯灯のESCO事業などについて質疑が行われ、市当局は中小の住宅リフォーム受注を支援、自転車事故多発地点で緊急整備に取り組む方針を示した。
 建設関連の主な質疑は次の通り。
◆消防団の器具置場について(原典之議員、自民党)
 「老朽化したものから順次改築してきたが、東日本大震災を受けて旧耐震基準で設計された建物を調査した結果、2カ所の耐震強度不足が判明したことから、2014年度に多摩消防団生田分団東生田班、15年度に高津消防団橘分団新作班の改築工事を行った。16年度は私有地から公有地への移転工事を1カ所予定しており、15年度に基本・実施設計を予定している」
 「今後は、建築経過年数に伴う劣化状況、消防団車両の使用に容易な立地、恒久的利用に向けた既存公有地の活用、資機材の収納スペースや会議室など機能性の向上などを踏まえた改修、改築、移転について評価し、関係局と調整しながら順次整備を進める。女性消防団員の受け入れに対応した更衣室、トイレの整備などに取り組む」
◆住宅リフォームについて(石川建二議員、共産党)
 「地域に根差した中小建設事業者が自ら受注を継続的に確保できるよう、情報発信力や営業力の強化に向けた研修会、消費者とのマッチングの場となる住宅相談会など開催してきた。その成果として、14年度は住宅相談を契機とした受注枠が1億円を超え、受注拡大につながり、市民との信頼関係の構築に効果を上げているとの声が中小建設事業者から寄せられている。今後とも事業者自らが受注を確保できるように支援を行い、市内中小建設業の振興と市内経済の活性化を図りたい」
◆水素エネルギー関連の取り組みについて(末永直議員、自民党)
 「水素発電所の建設を含めた新たな水素の大量貯蔵・輸送技術を活用した川崎臨海部水素ネットワークの構築については、国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構が公募した水素社会構築技術開発事業大規模水素エネルギー利用技術開発に千代田化工建設がことし6月に採択を受けたことから、今後、こうした枠組みを活用しながら取り組みを進めると聞いている」
 「同事業は全体の事業期間を第1期と第2期に分けて取り組むこととしていて、第1期については約2年を掛けて水素サプライチェーンの運用に必要な基盤技術の検証のためにスケールアップや触媒の耐久性の検討、総合運用の検証などを実施。第2期については、第1期の検証結果、検討結果を踏まえて決定するという」
 「水素戦略の推進に当たっては、関係企業と多様な主体と信頼関係を築きながら共同で進めていくことが重要。有識者や立地企業などで構成する川崎臨海部水素ネットワーク協議会を設置し、水素供給システムの構築や水素利用の拡大などについて現在検討していて、引き続き産官学の連携で取り組んでいく。さらに水素関連プロジェクトの推進方策の検討のほか、エネルギー、産業、輸送などさまざま分野での最新の水素関連動向を情報共有する(仮称)水素戦略推進庁内会議の設置も検討している」
◆水素ステーションの設置について(末永直議員、自民党)
 「水素供給事業者などと協議を行ってきたが、固定式水素ステーションの整備は設置基準に合致する場所を確保し、採算性を確保するため、既存のガソリンスタンドなどに併設する必要があり、市内では、そのような場所を確保することが難しいという。このため、当面、固定式よりも設置基準が緩和されている移動式水素ステーションの設置に向けて検討を進めている」
◆防犯灯のESCO事業について(河野ゆかり議員、公明党)
 「17年度の事業開始に向けてことし2月に説明会を実施した。15年度は自治会、町内会など820団体に対して、所有する防犯灯の実態を含め、ESCO事業への移行希望を聞くため、すでに調査表を送付した。今月中に各区役所、支所など12カ所でESCO事業の説明会を開く。16年度にはESCO事業者の決定を経てLED防犯灯への交換工事を実施していきたい」
◆自転車通行環境整備について(市古映美議員、共産党)
 「喫緊の課題である安全性の確保に向けて、本年度から3カ年を目途に、自転車事故の多発箇所について緊急的な整備をしている。この対策の完了後、引き続き連続性の確保による利便性の向上、ネットワーク化による快適性の向上に取り組んでいきたい。拡幅計画のない幹線道路の自転車通行環境整備についても、段階的な整備の中で考えていきたい」
 「通行位置、進行方向を示すいわゆるナビラインについては視認性が向上し、事故の低減効果が期待できると考えている。本年度から進める3カ年の緊急整備で設置するほか、段階的な整備でも現地の状況を踏まえてあ推進していきたい」
◆横浜生田線整備について(斎藤隆司議員、共産党)
 「東三田工区については宮前区境から延長1240bの区間を計画幅員18bに拡幅し、両側に4・5bの歩道を設置する計画。このうち宮前区境から東三田3丁目交差点付近までの延長580bの区間については、14年度までに道路整備が完了。現在は、同交差点から専修大学記念館前交差点付近までの延長380bの区間については14年度から2カ年の予定で西側の道路擁壁工事を実施している。歩行者の安全対策についてはこの工事の進捗に合わせて、一部の区間で歩行者の通行空間を確保する」