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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/07/06

【群馬】県県土整備部がフレックス工期を試行へ


県県土整備部は、7月15日以降に起工する工事から「フレックス工期(=W)による契約方式」の試行を始める。従来の実工事期間に加え、落札決定通知を受けた日から起算して最大で90日以内で、発注者が対象工事の工事開始期限日を指定。契約予定日から工事開始期限日の間に「フレックス期間」を設ける。受注者は工事開始期限日までに契約工期の始期日を任意で設定し、始期日までは技術者や現場代理人を配置しなくてもよいこととする。「フレックス期間」を実工事期間に充て、契約工期(=W)を実工事期間より長く設定することも可能としており、受注者の選択肢が広がることとなる。
「フレックス工期による契約方式」の対象は@工事完成期限日が工事を発注した年度内であるA他工事等の進捗に影響を与えない工事であるB緊急性のある工事でない−の全てを満たす工事。
フレックス工期の決定にあたり、発注者は工事公告(指名)の際、標準工期などから当該工事を実施するために必要となる「実工事期間」、落札決定通知日から起算して90日を超えない範囲かつ実施工事期間未満の範囲内において「工事開始期限日」、当該工事の工事開始期限日や実工事期間を考慮して「工事完成期限日」をそれぞれ定める。
これに対し受注者は契約締結の際、工事開始期限日以前の任意の日を「契約工期の始期日」、契約工期の始期日から工事完成期限日までの間の任意の日を「契約工期の終期日」にそれぞれ設定し、その期間を契約工期とすることができる。極端な例を挙げれば、契約日の翌日を契約工期の始期日とすることもでき、その場合は従来の工期と比較して、最大90日をプラスして工事期間に充てることも可能となる。「契約工期の終期日」任意に設定できるため、契約工期の短縮を図り、その分利益を上げることも可能となる。
また、「契約工期の始期日」までは主任(監理)技術者と現場代理人の配置を必要としない。
このため、一時的に複数の受注工事が重なり技術者を配置できないといった場合でも、フレックス工期対象工事については受注することができる。
契約締結日から契約工期の始期日の前日までの現場管理は、発注者の責任で行うこととし、受注者は資材の搬入や仮設物の設置などの作業は行えない。ただし、書類作成などの内業は行うことができる。
県建設企画課によると、フレックス工期の制度自体を持っている自治体は近県にもあるが、「フレックス期間」を実工事期間に充て、契約工期を実工事期間より長く設定できるなど、柔軟に対応している自治体は「調べた限りではない」という。同課の岩下勝則課長は「『フレックス工期による契約方式』の対象工事の受注者には、『なぜそのような工期設定をしたのか』など、いろいろ意見を伺いたい。そうすることで効果を確認し、フォローアップをしていきたい」と話している。
当面の間を試行期間とし、舗装工事、道路改良工事、河川工事で試行する。各土木事務所が15日以降、可能な範囲で各工種区分ごとに1工事(最大3工事)を発注することとしている。
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フレックス工期と契約工期
群馬県ではフレックス工期を「受注者が工期を柔軟に設定できる、落札決定の通知を受けた日から工事完成期限日までの期間」、契約工期を「フレックス工期の期間内で受注者が設定する、工事を実施するために要する準備及び後片付け期間を含めた始期日から終期日までの期間」と定義している。