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建設新聞社
2015/07/08

【東北・宮城】東北一の斜張橋「気仙沼湾横断橋」が着工

 東北地方整備局が復興道路として整備を進める気仙沼道路の一環として、宮城県気仙沼市の気仙沼湾に架ける長大橋「気仙沼湾横断橋」(仮称)の小々汐・松崎地区下部工工事の合同安全祈願祭が、27日に現地で開催された。施工を担当するのは、小々汐地区が鹿島・東亜建設工業JV、松崎地区が東亜建設工業・不動テトラJV。今回の着工により、14ある橋脚と橋台2基の全てが工事着手を迎える。斜張橋としては東北一の長さを誇り、気仙沼市の復興のシンボルとなる同橋の完成に向け、地元からの期待を一身に背負いながら、整備事業は本格化する。
 気仙沼市朝日町の朝日埠頭内で催された安全祈願祭には関係者約100人が出席。気仙沼市の菅原茂市長らが玉ぐしを奉てんし、工事の無事を祈った。また、祈願祭終了後には東北地方整備局の縄田正局長らが鍬(くわ)入れを行った。
 あいさつに立った菅原市長は「気仙沼湾横断橋は市民たちにとって心の希望であり大きなシンボルだ。湾上の橋脚建設に当たり協力してくれた漁業関係者の気持ちに報いるためにも、一日も早い完工へ協力していきたい」と述べた。発注者の代表として、鹿島本社の増永修平専務土木営業本部長は「完成したあかつきには、復興の象徴として多くの人に愛され親しまれる橋になってもらいたい。新生・気仙沼に役立つ大事な工事だからこそ、細心の注意を払いながら施工していく」と意気込みを語った。
 2011年度に事業化された気仙沼道路は、国道45号上の気仙沼IC(仮)〜唐桑南IC(仮)に至る約9`bの区間。津波浸水域を回避することで、将来の大規模災害の発災時でも緊急輸送路が確保でき、被災地への緊急支援物資などの輸送が可能となる。通常時も、石巻赤十字病院への所要時間が約4割短縮されるなど高次救急医療施設へのアクセスが向上。加えて、気仙沼市の主要産業である水産業や観光の振興など、多方面での効果が期待される。
 気仙沼道路区間内の気仙沼湾を跨ぐ横断橋は、陸上部が鋼7径間連続箱桁橋+鋼3径間連続箱桁橋(664b)、海上部が3径間連続鋼斜張橋(680b)の全長1344bの橋梁。斜張橋部の延長は、完成すれば青森ベイブリッジを抜き東北最長となる。桁下クリアランスは過去に通過した最大船舶のマスト高に、2b以上の余裕高を加えた海面から32bに設定。橋脚天端は想定津波高TP10bより高いTP15bとし、津波時に鋼製主塔が海水や漂流船舶の船首で被災することを防ぐ。

 提供:建設新聞社