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建設新聞社
2015/07/08

【東北】東北から雫石町とむつ市/国交省が公的不動産証券化モデル団体を選定

 国土交通省は、日本総合研究所に事務局業務全般を委託していた「不動産証券化手法等によるPRE(公的不動産)に関するモデル団体支援事業」について全国11団体を選定。東北地方からは岩手県雫石町と青森県むつ市が採択された。
 この取り組みは、地方公共団体の財政健全化や公共施設統廃合および少子高齢化に備えたまちづくりといった課題に対応する方策の一つとして、公的不動産の効率的な運用を目指し、専門家や実務者の派遣などによって不動産証券化手法等に係る調査検討を支援するもの。ことし5月から6月にかけて、事案の状況によって3類型に分けて募集していた。
 対象案件について、すでに具体計画の作成に着手している類型1のカテゴリーで採択された岩手県雫石町の取り組みは、小岩井農場北側に広がる約14fの未利用地について、町がまとめた基本計画に基づき資金面で証券化手法の活用を図るもの。
 対象用地はかつて国の落葉果樹農業研修所が所在していた場所で、閉鎖後は町が所有しているが未利用となっている。町では2011年から官学民のプロジェクトチームを立ち上げて活用方法の検討に着手し、14年に基本計画をまとめた。計画によると、3期に分けて整備を実施。17年春までの第1期は「福祉と環境」、18年までの第2期は「農と環境」、19年までの第3期は「教育と環境」をコンセプトに、それぞれ施設整備を行う。
 町では現在、このプロジェクトを主導する第3セクターの発足に向けた準備を進めており、本年度内の発足を予定。造成やインフラをはじめとする施設整備や運営を対象に民間活力の導入を想定しており、今回のモデル団体支援事業では資金調達のスキームなど、基本計画に沿った具体的な導入形態を探っていく考えだ。
 対象となる具体案件の候補がある類型2のカテゴリーで採択された青森県むつ市の計画は、これから集約を伴う建て替えを予定している市営住宅8団地について、解体跡地の活用に証券化手法などの導入を検討するもの。
 策定済みの長寿命化計画に基づき、対象の住宅8団地計207戸は耐用年数や設備老朽化といった課題から1〜2カ所に集約して建て替える計画。建て替えに伴い、いずれも市有地である既存施設の解体跡地を有効利用するため、モデル団体支援事業によって活用方策の検討に取り組む方針だ。
 なお、類型3のカテゴリーは、PREを活用する具体的な案件の候補はないものの、今後の活用を積極的に進めていく意欲のある地方公共団体としているが、東北では採択された団体がなかった。

 提供:建設新聞社