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鹿児島建設新聞
2015/07/10

【鹿児島】マルチコプター威力発揮、垂水土石流

  6月末に垂水市牛根地区深港川の上流で発生した土砂崩れに伴う土石流災害。早急な応急復旧作業に取りかかっているものの、7月5日にも2回目の土石流が発生するなど、予断が許されない状況が続く。そのような中、小型無人機「ドローン」の一種であるマルチコプターが崩落の状況調査等に威力を発揮している。 
 1回目の土石流は6月24日に発生。高さ約150m、幅50〜60mもの土砂が崩落し、垂水市はすぐさま、災害時における応急対策に関する協定に基づいて鰹纈テ建設と叶X組に応急工事を依頼し、川の流れを遮っている大きな岩や土砂の除去作業を急ピッチで進めた。その甲斐あって、全面通行止めとなっていた国道220号に架かる深港橋は日中のみ片側交互通行となったものの、くしくも今月5日に2回目の土石流が発生。再び終日通行止めとなった。 
 九州地方整備局大隅河川国道事務所は1回目の土石流発生後の6月28日、土砂崩落個所の状況把握のため同局TEC−FORCE隊による遠隔操縦が可能なマルチコプターで上空調査を実施。 
 2回目の土石流の際も、7月7日に土石流の状況などを細部調査するため、マルチコプターで上空から調査を実施した。 
 2回の飛行とも、足を踏み入れることのできない崩落斜面の約50m近くまで接近。また、土石流で堆積した河道の様子も安定した飛行によって鮮明にとらえ、得られた映像データは専門家や垂水市に提供し、今後の災害の危険性などについて活用される。 
 このほか、現地では垂水市の要請を受けて、国土交通省九州地方整備局が所有する遠隔操縦(150m程度)が可能な災害用機械を2台(分解組立型バックホウ1m3と同0・8m3)派遣。土石流災害等で人が近付けない危険個所で災害復旧作業を行っている。