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建設新聞社(長崎)
2015/07/18

【長崎】建設技術研究センター電子銘板≠フ検討着手

事業関係者名などをスマホに表示
技術者・技能者のやり甲斐向上で担い手を確保・育成


 (公財)県建設技術研究センター(ナーク)は、土木構造物や建築物に関係するさまざまな情報を電子的に表示する『電子銘板』の実現に向けた検討に着手した。13日に第1回電子銘板研究会を開催。今後さらに2〜3回の議論を進め、本年度内に一定の成果を示したい考えだ。
 この検討は、ナークも参加している県建設産業団体連合会の産学官連携建設業人材確保育成協議会での議論を踏まえたもの。建設関係団体の要請を受ける形で、本年度のナークの新規研究事業の一環として進める。
 土木構造物や建築物の建設は、受発注者だけでなく、企画・設計・事業執行調整・施工など各段階で多くの人が携わって完成する。電子銘板で、事業の各段階での記録(施工中の写真など)とともに、関係者の名簿を閲覧できるようにすれば、土木・建築の技術者・技能者のやり甲斐が高まり、結果として担い手の長期的な育成・確保≠ノつながることを期待。併せて、技術者・技能者の誇り・やり甲斐が高まることで、改正品確法の目的である現在および将来の公共工事の品質確保≠フ実現も目指している。
 さらに、当該構造物・建築物の規模や構造、計画の目的・経緯、施工時の課題などの情報も発信することで、社会資本整備の重要性を広く一般に周知し、理解を促す役割も担う。
 情報を提供する方法はQRコードを想定。スマートフォンなどをかざして施設のさまざまな情報を閲覧できるようにする。研究会では、電子銘板設置上の課題や問題点を各分野の関係者が意見交換。効果を検証し、実現を目指す。
 研究会の構成団体は▽長崎大学インフラ長寿命化センター▽国土交通省長崎河川国道事務所▽県土木部建設企画課▽県土木部建築課▽長崎市土木企画課▽(一社)県建設業協会▽県鉄筋工事業協同組合▽(一社)県地質調査業協会▽(一社)県測量設計コンサルタンツ協会▽(一社)長崎県建築士事務所協会―で、ナークが事務局を務める。

初会合―表示法や対象など幅広く意見交換

 初会合では、電子銘板の表示方法や閲覧対象者、表示対象構造物について参加者が自由に意見交換した。ここでは、当該施設の維持管理時に活用できる図面(CADデータ)や各種データも格納すべきとの意見がでた。ただ、今回の研究会では、コスト面やシステム運用管理面なども考慮した「本年度中に実現可能」な電子銘板を目指すことを重視。表示内容を関係者の名簿や構造物の目的・規模などに限定する方向性を確認した。
 次回会合では、事務局が今回の意見を整理・集約し、議論を深化。第3回会合で実現に向けた課題を検討する。ナークでは、年度内には一定の成果をまとめて、何らかの施設で電子銘板を試行したい考えだ。
ksrogo