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建設新聞社
2015/07/22

【東北・宮城】17haに医療・部隊・物資などゾーニング/広域防災拠点の基本案まとまる

 宮城県は、仙台市宮城野原地区に整備する広域防災拠点の基本設計案をまとめた。災害時に円滑な活動ができるように、医療・部隊・物資などの拠点をゾーニングした。
 この施設は、東日本大震災のような広域大規模災害の発生時に、警察や消防のベースキャンプや、支援物資の流通配給基地となる施設の必要性が認識されたことから整備を立案。県では2013年6月から整備検討会議を開き、14年2月に基本構想・計画を策定。その後も関係機関との意見交換を実施するなど、基本案の作成に取り組んできた。なお、基本計画調査検討はランドブレイン、基本設計はオオバが担当。
 対象用地は仙台市宮城野区宮城野3丁目ほか地内で、仙台市陸上競技場や楽天KOBOスタジアムの東側に位置し、現在はJR貨物の仙台貨物ターミナル駅が所在している約17f。敷地南北に接する道路は緊急輸送道路となっており、災害時には敷地西側の市道も交通規制する。
 このほど公表した基本設計案によると、仙台市陸上競技場北側に移転予定の仙台医療センターと連携するため、敷地北側は災害医療支援エリアとし、SCUスペースやDMATのベースキャンプなどを配置。敷地中央部にはヘリポートのほか、防災センタ−となる管理棟(RC造3階建て、延べ約1300平方b)を置く。南西側は部隊の集結・宿営エリアに位置付け、消防や警察などのベースキャンプを配備。南東側には物資集配拠点を設けている。
 平常時には、DMATおよび消防警察のベースキャンプを芝生広場、物資集配拠点をグラウンド、ヘリポートをランニングコース、集結場所を駐車場として活用するほか、災害時に荷捌き場となる施設は全天候型多目的運動場として使用する計画。
 今後、8月3日からパブリックコメントを募る。また、JR貨物では移転先となる宮城野区岩切地区の用地取得に取り組み、19年度までに移転する見通し。このため、県では国土交通省の都市公園事業認可や、用地取得などを進めて、19年度をめどに詳細設計および工事着手し、20年度からの一部供用開始を目指す。

 提供:建設新聞社