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建通新聞社(中部)
2015/07/27

【三重】伊賀国庁跡 保存整備活用案 パブコメ中

 伊賀市は、坂之下に所在する「伊賀国庁跡」について、史跡公園として整備・活用していくための方向性を示す「伊賀国庁跡保存整備活用基本計画」〈中間案〉をまとめた。ハード面では柱跡などの遺構の表示、修景、東屋(あずまや)、園路などを盛り込んでいる。8月21日までパブリックコメントを行う。2015年度に基本計画、16〜17年度で基本・実施設計を行う。
 伊賀国庁跡は、8〜11世紀の伊賀国の役所の跡。坂之下の柘植川の右岸側の段丘上にある=写真。全体面積は3万0586平方bで、宅地などを除く面積は2万6006平方b。現在は主に水田として利用されている。09年度に国の史跡に指定され、これを受け同市が11年度に保存管理計画を策定し、14年度から整備活用基本計画の策定に着手した。並行して、市が10年度から土地取得による公有化を進め、15年度に残る3350平方bを取得して完了する予定。
 庁舎跡が残る遺構は、対象地区ほぼ中央の40b強四方の区画に正殿、前殿、門、区画溝などが確認されている。同中間案では、遺構の所在を示す方法として、柱跡を半立体表示、溝を平面表示などで示す。植栽・修景計画では、民有地との景観の遮蔽(しゃへい)、利活用計画と合わせた植栽を施す。関連施設では、広場、園路、東屋、ベンチ、柵、照明灯などを配置する。東屋は、休憩施設とパネル展示を兼ねた建物で当時の掘立柱建物を基本とする。ガイダンス施設として情報発信拠点の整備を検討する。景観保存(バッファゾーン)を重視する観点から史跡周辺も計画対象地区とし、史跡と調和した景観整備を誘導していく。全体の概算工事費は試算で6億円弱とした。
 利活用計画に当たっては、地域の歴史を学ぶ場、市民の憩いの場、体験学習などを想定して、イベントなどを検討していく。
 今後のスケジュールでは、18年度から整備に着手し、19年度の供用を目指す。

提供:建通新聞社