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建通新聞社
2015/07/27

【大阪】大阪府 沿道建築物 「南北道路」に集積

大阪府内の広域緊急交通路の沿道に建つ耐震診断義務化建築物は、大阪市内を中心に国道25号、同423号(新御堂筋)、同2号、府道大阪和泉泉南線に集積していることが明らかとなった。対象建築物総数422棟を路線別にみると、対象棟数が最も多いのは国道25号で112棟。続いて府道大阪和泉泉南線72棟、国道423号68棟となっており、3路線だけで全体の約6割を占める。その範囲は、おおむね府道大阪中央環状線よりも内側に収まっていた。
 これらのスムーズな耐震化に欠かせないのが改修補助制度だが、府の現行の制度は他府県と比べて所有者の負担割合が大きい。
 愛知県や徳島県、香川県、横浜市などでは所有者の負担割合は延べ床面積に関係なく26・7%(香川県、横浜市は補助上限金額あり)なのに対し、府は延べ床面積5000平方b以下建築物で所有者の負担割合が63・3%、延べ床面積5000平方bを超える建築物で所有者の負担割合は81・7%となっている。
 先行する東京都では、延べ床面積5000平方b以下と超える部分で負担割合を変えたり、分譲マンションでさらに補助割合を拡大するなどの工夫をしているという。
 防災・減災面を考慮すると、所有者の負担を3分の1程度に抑えるような補助制度へ見直す必要性を指摘する声もある。また、非常時に緊急車両が通行できるよう橋梁などの耐震化を計画的に進めているにもかかわらず、沿道建築物の倒壊で万一の場合に交通路が使用できない事態を避けるためには、民間建築物とはいえ「公益的な」観点は重視すべきといえる。
 府では、補助制度の在り方や、耐震性が低く道路を封鎖する危険性の高い建築物の耐震化を優先順位付けして取り組むなどの対策案具体化の方向性を本年度内にまとめる方針。
 なお、延べ床面積5000平方bを超える大規模義務化建築物は、御堂筋、新御堂筋、谷町筋、南海堺東駅周辺のエリアに集中していた。

提供:建通新聞社