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建設新聞社
2015/08/04

【東北】建築教育の在り方を探る―東日本建築教育研究会山形大会

 東日本地区の工業高校132校の建築教育関係者らで構成する東日本建築教育研究会(会長・小林晶代東京都立墨田工業高校校長)は7月30日・31日の2日間、第65回東日本建築研究会山形大会を山形県鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で開いた。「Reproduction(再生)」をテーマに掲げた今回の大会には約170人が参加し、講演や研究協議などを通じて建築教育の課題や今後の方向性について認識を深めた。
 30日の開会式で、菅原和明大会実行委員長(山形県立鶴岡工業高校校長)は、「少子高齢化、経済のグローバル化が進む中、日本の成長には生産性の向上が欠かせない。国際的に見ると、日本の職業教育予算のウエートは低いが、自主的な研修によって優れた教員の育成に努めてきた。こうした取り組みが日本の建築教育に果たす役割は大きい」と強調。小島聡副会長(千葉県立市川工業高校教諭)は「国交省も若者の入職・定着を最重要課題に位置付けて、さまざまな施策を進めている。われわれも(こうした取り組みに)関わっていきたい」といった小林会長のあいさつを代読した。
 山形県教育庁の石川真澄高校教育課長は来賓として、「安心で安全な暮らしを支えるためには、社会インフラの整備が不可欠。建築分野の専門的なスキルを持つ人材の重要性が高まっている」などと祝辞を述べた。
 続いて東北大学災害科学国際研究所の姥浦道生准教授が「東日本大震災後の復興の現状と課題」と題して講演。この中で姥浦准教授は、被災地を取り巻く課題として「人口流出」などを挙げながら、「高台移転や土地区画整理事業を行った地域を持続性のあるまちにしていくため、どう使いこなすか、その実現へどう規制を緩和するかを住民とともに考えていかなければならない」と訴えた。
 分科会では、@製図A計画B法規C構造D施工―の計5グループに分かれ、建築教育に関する情報を共有。このうち計画分科会では、建築家で東北学院大学教授の櫻井一弥氏が「住宅設計のポイント」を解説した。櫻井氏は、自らが設計を手掛けた住宅の事例や設計業務の流れを紹介した上で、土地の個性や建築主の生活スタイル、趣味に合わせた住環境を提案する重要性を指摘した。
 31日には、山形県立米沢工業高等学校の田中知宏教諭が「米工版スマートグリッドへの挑戦―地域と連携したスマートエコハウスの建設」、千葉県立京葉工業高等学校の岩城弘和教諭が「木造住宅の耐震診断研究」について、それぞれ研究成果を発表。文部科学省の持田雄一調査官による「高等学校教育の現状とこれからの産業教育の果たす役割」と題した講演も行われた。
 来年度の大会は、2016年8月4日・5日に千葉市のホテルグリーンタワー幕張で開催する予定だ。