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大分建設新聞社
2015/08/05

【大分】竹田市土地改良区、小水力発電を設置

竹田市土地改良区が、同市志土知に小水力発電施設を設置、さきに完成した。改良区では、売電収入の一部を厳しくなる一方の、地域農業の再生に役立てる考えだ。7月23日、県豊肥振興局などとともに、発電施設の現地研修会を開いた。
 小水力発電施設は、同改良区の宮ヶ瀬工区農業用水路に設けた。水路に約30bの落差があり、年間を通して一定水量(毎秒約0・1立方b)があることから、県に補助を申請、認められたため、27年3月に事業費3900万円(うち県の補助30%)で設置工事に着手、7月末に完成した。出力は17`h。年間の売電収入は400万円程度を見込んでおり、この中から改良区の自己負担分(借入金)を毎月、10年間で返済する計画。また、当面、余剰金を若者が農業をしやすいように改良区の水田賦課金を減額したり、イノシシなどの侵入防止柵の設置負担金などに充てることも考えている。
 同地区は、過疎、高齢化が著しく、さらに米価の下落などで営農意欲が低下し、耕作をやめる農家が増えた。また、奥さんたちが地区内の紫神社周辺で栽培している紫草で染色する、「染色工房」を新設し、地域活性化活動に取り組んでいるが、資金面で苦しく、このままでは活動継続が危ぶまれている。
 研修会は、同局や大野川上流開発事業事務所、市、同改良区、施工業者のエネフォレスト梶i大分市)などの18人が参加。試運転中の発電施設で現地研修をし、地域活性化への知恵を出し合った。
 区長でもある渡部修身改良区理事長は「農業をやめないでほしいの一念で、小水力発電施設を造った。高齢化で、水路など土地改良施設を管理する人が足りない状況だし、借入金を返済し終えたら、余剰金を地域活動費や、水管理などをしてくれる若い会員の日当などにも充てたい」と話している。
提供:大分建設新聞社