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建通新聞社四国
2015/08/07

【香川】県ダム検証委 長柄ダム再開発案と五名ダム再開発案は妥当

第11回香川県ダム検証に係る検討委員会(白木渡委員長)が6日、高松市内で開かれ、「綾川ダム群連携」(関係市町・綾川町、坂出市、丸亀市)と「五名ダム再開発」(東かがわ市)のダム検証に係る検討について最終審議を行い、県が現行計画を修正し最も有利な内容として総合評価した「長柄ダム再開発案」と「五名ダム再開発(計画変更案)」を妥当とする審議結果をまとめた。県は今後、香川県公共事業評価委員会への意見聴取を経て両ダムの対応方針を決定し、8月下旬に国土交通省へ検討結果を報告する。国の有識者会議の意見を得た後に、国土交通省による補助金交付等に係る対応方針が決定する見通しだ。国の対応方針が決まれば、両ダム事業は建設に向けていよいよ動き出す。
 両ダムともにこれまで▽治水計画▽利水計画▽堆砂計画▽ダム計画▽総事業費▽工期―などについて総点検してきた。
 綾川ダム群連携では、利水計画で府中ダム下流への長柄ダムからの補給を不要とし堆砂計画は現行の約100万dから約160万dに変更。洪水調節方式は洪水期制限水位を設けず、年間を通じ一定の洪水調節容量を確保する「オールサーチャージ方式」を採用する。
 また、現行計画にあった田万ダムの無効放流を長柄ダムに導水するための「導水トンネル」を廃止。同トンネル効果相当分を長柄ダムのかさ上げにより確保する修正案に変えた。これによりダム容量はこれまでの約980万dから約1020万d(洪水調節容量約300万d、利水容量約560万d、堆砂容量約160万d)に拡大する。しかし、総事業費は現行160億円から、ダム費のみとなる150億円に圧縮。工期は2026年度まで。
 ダム検証委では田万ダムとの連携を廃止するとした長柄ダム再開発案を最も有利とする県の判断を妥当だと結論付けた。
 一方、五名ダム再開発は現行ダム整備計画を修正。ダム高を約55・4bと現行計画の約56bより低く修正し、容量はこれまでの約675万dから約645万d(洪水調節容量約310万d、利水容量約300万d、堆砂容量約35万d)に縮小した。新規利水容量は日量3000dから日量2000dに修正。総事業費もダム高が低くなったことから現行計画の230億円から220億円に修正した。工期は26年度まで。ダム検証委は計画変更の同ダム再開発案を最も有利とする県の判断を了承した。
 綾川ダム群連携事業と五名ダム再開発は、すでにダムの本体に着工した椛川ダムと合わせ、10年9月に国土交通大臣からの要請によりダム検証の対象ダムとなった。香川県ダム検証に係る検討委員会はこれを受けて10年11月から検証をスタート。椛川ダムを除く2ダムの治水・利水計画や環境など、いくつかの点検と検証が続けられていた。

提供:建通新聞社