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日本工業経済新聞社(山梨)
2015/08/07

【山梨】小仏トンネル渋滞対策で新トンネル

 中日本高速道路が許可申請を行っていた中央自動車道の小仏トンネル付近上り線(神奈川県相模原市〜東京都八王子市)の渋滞対策事業が、5日に国土交通大臣から許可された。計画では、約5qにわたり左側に付加車線を設置。そのうち上野原IC側約3・5qは新しいトンネルを含む別線とし、その後の約1・5qは車線運用を2車線を3車線とする。
 事業許可を受けて中日本高速道路では今後、トンネルや橋梁などの測量や詳細設計、必要な用地取得などを進め、着工を目指す。用地取得や施工には一定の時間が必要で、完成時期について同社では、通常の新設工事の場合は10年ほど掛かるとの見方を示している。
 小仏トンネル周辺の上り線は、サグ(上り坂)や登坂車線の減少などによって、特に休日の夕方などに深刻な渋滞が発生。観光面からも本県にとって渋滞解消が長年の課題になっている。
 具体的な渋滞対策は、本県などで組織する「中央道渋滞ボトルネック対策協議会」が検討ワーキンググループを設置して協議し、本年3月に具体的な対策を決定した。
 渋滞抑制にはボトルネック部の交通容量の拡大が効果的だが、小仏トンネル付近は急峻な山岳で、現在のトンネル内の路肩は0・75mと狭いため、既にある登坂車線(L約1・8q)と接続する形で、新トンネルを含めて新たな付加車線を左側に設置。その後は、本線の車線運用を2車線から3車線とする。
 事業が許可されたことについて、本県の後藤斎知事は「大変喜ばしく思うとともに、国土交通省、中日本高速道路をはじめ、県選出国会議員の皆さまへ深く感謝申し上げます」とコメント。
 さらに「上り線の渋滞対策事業の早期完成に加え、残る下り線についても対策が図られるよう、国ならびに高速道路会社等へ要望してまいります」とした。
 上り線の渋滞対策の効果について、山梨中銀経営コンサルティングの試算では山梨県において年間約50億円の渋滞解消損失額が見込まれるという。後藤知事も、物流や観光、企業立地など多岐にわたる分野での効果に期待を寄せている。