トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

福島建設工業新聞社
2015/08/11

【福島】新たな環境・リサイクル産業集積へ

 産学官による県内への新たな環境・リサイクル産業の集積を実現するための推進組織とする「ふくしま環境・リサイクル関連産業研究会」の設立総会が10日、福島市の杉妻会館で開かれ、検討テーマを@炭素繊維再資源化A太陽光パネル再資源化Bバッテリー再利用C石炭灰混合材料製造D小型家電リサイクル―の5分野とし、検討テーマごとの事業可能性調査とワーキンググループ(WG)設置に今年度着手する方向性を確認した。
 同研究会の設立は、イノベーション・コースト構想の主要プロジェクトの一つとして提案された「スマート・エコパーク」実現に向けた取り組みの一環。同プロジェクトは、浜通り地域を中心に新たな環境・リサイクル関連産業の集積を目指すもので、国主導の検討会が3月に取りまとめた中間整理では、リサイクル事業者や研究機関、自治体、国などが参画した研究会を立ち上げ、先進的な個別リサイクル事業の早期事業化に向けた支援や、人材育成を実施すべきとされた。
 設立総会には約120人が出席。畠利行副知事は「新たな環境・リサイクル産業を主要産業として育成したい」と述べ、研究会の今後の取り組みに期待感を示した。
 会員は7日現在、県内外の関連企業・団体をはじめ、教育・研究機関、行政機関等とその職員など130者が加盟。会長に中村崇東北大学多元物質科学研究所リサーチプロフェッサー、副会長に佐藤俊彦県産業廃棄物協会長と山田理県ハイテクプラザ所長が就いた。
 規約などを確認後、中村会長が「リサイクルの重要性」、白鳥寿一東北大学環境科学研究科教授が「太陽光パネルのリサイクル」と題して記念講演した。
 WGを設置する5テーマについては、28年度以降に研究開発・実証研究・事業化を図り、32年度以降、浜通りを中心に一定の産業集積を目指す。
 テーマ別検討概要は次の通り。
 【炭素繊維】炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のリサイクル技術の研究とリサイクル材料の実用化、有力企業誘致、販路開拓を通して県内企業への積極的な技術導入
 【太陽光パネル】大量廃棄が見込まれるため、再資源化と有効利用について、リサイクルの技術や仕組みの構築を研究
 【バッテリー】リチウムイオン電池のリユースシステムの構築、最終的な廃棄段階での有用資源の高効率なリサイクルシステム構築の検討
 【石炭灰混合材料】石炭灰の再資源化技術を活用し、再資源化材料の特徴に合った転用先の検討、転用先に合わせた資材の開発、石炭灰を使った新たな高付加価値材料の開発による販路拡大等
 【小型家電リサイクル】本県を収集区域に含む認定事業者とともに、県内でのリサイクルの推進のため、効率的に鉄・アルミ・金・銀・銅・レアメタル等を回収する仕組みの構築