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大分建設新聞社
2015/08/13

【大分】広域交通網の強化を、大分都市圏の総合交通計画案

 大分都市圏総合都市交通計画協議会(国、県、大分市、学識者、交通事業者などの代表者で構成)は、「大分都市圏総合都市交通計画案」を策定し、パブリックコメント(意見)を募集している。25年に実施した第2回大分都市圏パーソントリップ調査の結果などから、現在の都市圏の交通状況や課題を踏まえ、長期的な視点での交通体系の将来像と、その実現に向けた基本方針を定めた。目標年次は概ね20年後の平成47年。
 大分都市圏は、大分市を核都市とし、別府、臼杵、豊後大野、由布各市と日出町の5市1町。今後は人口減少と高齢化などで、各市町や地域間の交通量も減少する見通しであること、特に公共交通の減少率が大きいと想定して、基本計画を策定した。
 計画の基本的考えは、「大分都市圏が抱える交通の課題」として、@都市圏の活力維持・向上のための広域交通網強化A拠点間の連携強化と様々な交通手段の利便性向上B拠点内の移動を支える安全・安心な交通の確保―を挙げ、「将来にわたって安心して利用でき、地域活力と都市圏の発展を支える交通体系」とした。
 そのための施策展開として、他都市圏との活発な交流・連携を支援する広域交通体系が必要とし、中九州横断道路の整備促進、高速バスの利便性強化、鉄道サービスの維持・向上、東九州新幹線の整備計画格上げを含めた幹線鉄道高速化促進を挙げた。また太平洋新国土軸構想の実現に向けた取組み推進、大分駅など主要鉄道駅の交通結節機能強化、空港・フェリーターミナルなどへのアクセス強化を目指す。
 大分市の将来交通体系については、事業実施中の庄の原佐野線や鶴崎大南線などは、混雑緩和効果を早い段階で実現させるため事業を促進し、国道10号鴛野〜中判田間や中島錦町線などは中期に、国道210号などは長期で事業効果を目指す。そのうえで大分市の道路ネットワークに関する短期・中期・長期の整備候補路線を示した。
 計画案は、県のホームページ(土木建築部都市計画課)に掲載しているほか、同課窓口、県情報センター、各土木事務所、振興局で閲覧できる。意見などの募集期間は9月6日まで県都市計画課都市計画班に郵送、ファクシミリ、電子メールで。
【パーソントリップ調査結果などの概要】
 前回調査後の30年間に、都市圏の人口は約6万人増え、日出町では増加し、その他周辺都市から大分市への集中が進む一方で高齢化が顕著になった。
 道路網整備が進み、県内の自動車保有台数はこの30年間で2倍を超え、大分市のバス利用者数はこの30年で約4割減少した。
 大分都市圏は周辺を含め、鉄道、空路、船舶による広域的な公共交通網があり、また、大分駅周辺の中心市街地では自転車利用が多い。大分地区の自転車利用が市全域の利用者の約6割を占める。
 市内では人の移動が大分地区と鶴崎、稙田、明野各地区間で多く、これらの地区に集中。公共交通の利便性が高い大分市や別府市でも鉄道やバスの利用率は低い。
 ※パーソントリップ調査=いつ、どこに、どのような交通手段で外出したかの調査。前回調査は昭和58年。
提供:大分建設新聞社