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北陸工業新聞社
2015/08/20

【新潟】山地掘削は3段階で推進/大河津分水路改修事業施工手順/整備局信濃川/床固改築にケーソン工法

 北陸地方整備局信濃川河川事務所は19日、「大河津分水路改修事業」について、各工程で現時点で想定する施工手順を明らかにした。それによると15年度の着手を目指す山地掘削工事については、3段階で進める考えだ。
 今事業は、信濃川の上・中流の洪水対策として、長岡市内、燕市内において放水路の拡幅などを実施する大型事業で、事業区間は河口から上流側約3・3キロ。全体事業費に1200億円を見込んでおり、工事期間に15年度から32年度(H27〜H44)の18カ年を予定している。
 主に山地部の河道掘削(左岸)や第二床固改築などを実施し、川幅を現在の約180メートルから約280メートルに拡幅する。また、これに伴い新潟県が管理する野積橋(橋長211メートル、幅員6メートル)を、現状よりも下流側で架け替える方針で、川幅を約100メートル広げることから橋長も300メートル程度になると見られる。同橋の架け替え工事については架け替え位置や橋長、幅員、形式などを県と協議を進めており、直轄事業として工期に17〜22年度を想定している。
 山地掘削工事は山の上部から掘り下げる「ベンチカット」工法を採用。第1ステップとして、新野積橋の架け替えが想定される場所から下流の範囲を掘削(約7万立方メートル)。第2ステップではさらに上流の現行の野積橋や副堰堤周辺(新第二床固周辺)を掘削(約300万立方メートル)し、第3ステップで残りの範囲(現行の第二床固周辺から上流)を掘削(約760万立方メートル)する。
 新第二床固については、ケーソンによる施工を見込んでおり、陸上で製作したケーソンを曳舟で施工個所まで運搬する。ケーソン下部の作業室内で掘削を行い、基礎として必要な深さまで沈下。コンクリートでケーソン同士を連結し、所定の高さまで立ち上げる。なお。コンクリート打設には「コンクリートプラント船」の使用を想定している。山地掘削部より上流で計画する低水路拡幅工事については、下流部の拡幅後になるため全体工程のうち、後半を見込んでいる。
 同事務所では引き続き、地元住民への理解と周知を図りつつ、用地取得を進め、早期の工事着手を目指す。第2回住民説明会では、より具体的な施工計画を示す方針。また、今事業では1000万立方メートルを超える大量の掘削土砂が発生するため、他工事などに残土利用できないか、国・県のほか、近隣自治体や関係機関と検討・調整を図っていく考えだ。
hokuriku