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建通新聞社(神奈川)
2015/08/25

【神奈川】神建協と大学・専門学校、高校との懇談会 「地元志向 強い傾向」〜保護者への理解促進も課題

  神奈川県建設業協会(神建協、小俣務会長)は24日、県内建設系の高校や専門学校・大学などの就職指導担当者と、協会役員・会員企業採用担当者との懇談会を開き、双方からの情報提供に続いて、将来の建設業を支える人材確保・育成などの課題について意見を交わした。高校側からは、「今の生徒は地元志向が強い」ことや、建設業に対する「保護者の理解が不十分」であることなどが報告され、引き続き業界側にイメージアップの取り組みを求める意見が出された。さらに、女子生徒・学生の採用とともに、現場での受け入れ態勢の整備などを望む声もあった。
 懇談会は、午前に「県高等学校教科研究会工業部会建設工芸専門部」、午後に「県内大学と専門学校」の2部に分けて開いた。
 あいさつの中で神建協の小池克彦副会長は、まず「現場の技術者・技能者の高齢化や若年層の入職者の減少が大きな課題となっている」と指摘。その上で、「学生の動向や建設業に対する考え方について情報提供してもらういい機会だ。どうすれば建設業に目を向けてもらえるか。しっかり勉強させていだたきだい」と述べた。
 各学校からは、卒業生の進路状況の説明があったほか、就職(進路)指導の経験を基にした企業側への意見や要望が出された。
 学生の動向について、共通の意見として「地元志向が強い」ことが示された。ある教諭は、「居心地が良い地元にとどまろうとする傾向が強い。そのため(建設系の学校を出ても)建設業にこだわらず就職先を選ぶケースもある」と述べた。さらに、「保護者もそれを認める傾向が強い」と指摘した。
 保護者の建設業に対する理解が不足している現状も紹介された。ある工業高校の就職指導担当者は、「生徒以上に、その生徒の保護者への説明がネックになる。業界の役割が正しく伝わってなく、就職に難色を示すことがある」とした。
 さらに、企業の受け入れ態勢についても意見が出た。例えば、女子生徒の採用について「現場での設備が整っておらず、女子は採用していないと言われる場合がある。優秀でガッツがある女子生徒も多い。受け入れ態勢が整えば、人材確保・育成の間口が広がるはずだ」と改善を要望した。
 これに対して、自社で女子の採用を積極的に行っている企業経営者は、「『現場は体力勝負』という話は正しくない。能力がなければ現場では伸びない。むしろ女子の方が成績が良いくらいだ」と説明。同社では、全社員を集めてセクハラ防止の講習会を開くなど受け入れ態勢を充実。その上で、「女子の採用を前向きに考えている会社は多い」と述べた。 
 別の企業経営者は、「採用の面接で現場を全く知らないという学生もいる。体を動かしてものをつくるという建設業本来の部分もあらかじめ理解してもらわないと、長続きしない」と述べ、学校側に現場に目を向けた履修カリキュラムを組んでほしいと要望した。
 学校側は「富士教育訓練センターを利用して技能訓練実習を行っている」や、「学校の研修施設で木造建築の建て方の実習をしている」「夏休みに10日間、実務研修(インターンシップ)の機会を設けている」など、それぞれ現場体験の取り組みを進めている現状を説明。一方、「現場見学会などが十分かと言われれば難しい部分もある。就職後、現実との違いが出てくるだろうから、そのギャップをどう埋めるか。企業と模索していきたい」などの意見もあった。
 神建協では、労務・環境委員会が中心となって、こうした懇談会や「かながわ建設ガイダンスセミナー」(7月13日実施済み)の開催、また、学校側の要望などを受けて出前講座、現場見学会、インターンシップなどの取り組みを引き続き進めていく予定。
 
 今回の懇談会の参加学校は次の通り(当日欠席でアンケート回答のみの学校も含む)。
■高校
 ▽県立向の岡工業高校▽県立藤沢工科高校▽県立小田原城北工業高校▽県立神奈川工業高校▽市立川崎総合科学高校▽県立磯子工業高校
■専門学校・大学
 ▽神奈川工科大学▽東京工芸大学▽浅野工学専門学校▽中央工学校▽日本工学院専門学校▽日本工学院八王子専門学校▽横浜日建工科専門学校
 提供:建通新聞社