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西日本建設新聞社
2015/08/26

【熊本】デンソー、天草市にバイオ燃料施設

 大手自動車部品メーカーのデンソー(本社愛知県刈谷市、有馬浩二社長)は、天草市五和町の旧五和西中学校跡地にバイオ燃料を生成する藻(シュードコリシスチス)の大規模培養実証施設を建設する。19日に天草市と立地協定を結んでおり、9月頃にも着工、平成28年4月の稼動を目指している。
 シュードコリシスチスは、池等に生息している5マイクロbの微細藻類。光合成によりCO2を吸収し、ディーゼルエンジンで使用する軽油の成分を含んだオイルを生成するという。成長が早く、培養しやすいのが特徴で、同社が特許を取得している。
 これまで、愛知県西尾市の同社の実験施設で培養実験を進めていたが、生産効率を高めるために大規模培養技術の確立が必要と考え、天草市の五和西中学校跡地を培養施設の建設地に選んだ。
 計画によると、旧五和西中学校の敷地面積約2万平方bのうち、約1万平方bを培養施設として利用する。既存の体育館(S造平屋建836平方b)を実験棟として活用し、運動場に培養漕を整備する。平面の運動場は培養槽の整備に向いており、培養に好条件の温暖な気候や、海に近く取水面でも施設の立地に適しているという。
 工事発注先や事業費は明らかにしていないが、9月頃にも着工し、4月の施設稼動を目指す。生産コストが実用化への壁となっており、同社では「平成30年をメドに実用化に向けた要素技術の確立を目指し、最終的にガソリン価格程度に引き下げることが目標」としている。

提供:西日本建設新聞社