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日刊建設工業新聞
2015/08/26

【鳥取】県土木施工技士会/女性技士が県幹部と意見交換 社内で次世代に向け女性リーダー育成を 若者確保、就労環境で

 県内の建設業者で活躍する女性技術者たちが24日、林昭男副知事ら県の幹部と意見交換し、女性を含めた若者の確保・育成をめぐる課題や就労環境についてナマの声をぶつけた。
 男女が働きやすい建設業の職場づくり実現に向け、県土木施工管理技士会(下本八一郎会長)が、仕事と育児の両立を経験した女性の意見を県施策に反映してもらおうと初めて企画した。この日は土木技士会の女性会員11人が参加し、県の林副知事、小倉誠一元気づくり総本部長、宮本則明県土整備部次長が応対した。
 女性会員は建設業に入ったきっかけや、苦労、やりがいを自らの体験を交えながら報告。山本真弓さん(大英組=智頭町)は「苦労は人間関係にある。女性だから言うことを聞いてくれないこともあったが、いったん認めてもらうと次からはスムーズに仕事ができた」と話した。
 若者に向けた業界PRでは、山下佳奈枝さん(馬野建設=琴浦町)が「業界を知らない若い世代に、ものづくりのいいところを県から情報発信してほしい」と提案。大北美知枝さん(大北工業=鳥取市)は「魅力をいかに伝えていくことも大事だが、若い人が今、建設業に何を感じているのか現状を知ることも重要」と指摘した。
 これに対し、宮本次長は「業界の魅力が高校や生徒、親に知られていない。直接、先輩や技術者がPRする場を設定したい」と応じた。
 オブザーバーの下本会長は「技術者の仕事内容が十分に理解されていない」とした上で、「最終的に魅力は給料しかない」と強調。業界全体の賃金アップの必要性を説いた。
 また、就労環境で中野清美さん(中央建設=鳥取市)は「今の会社で残業がなくなり助かっている。週に1〜2日でも残業がなくなれば、もっと介護などに時間を割くことができる」と提起。井中玉枝さん(井中組=倉吉市)も「入って来やすい業界だか、続けにくい。特に女性は出産・育児があり、介護でも負担が掛かってくることが多い。何とか支えていく細かい配慮が必要」と述べた。
 林副知事は「社内で次の女性リーダーを育ててほしい。みなさんはトップランナー。個々が建設業のカリスマ技士になれば業界全体が変わってくる」と激励。小倉本部長は「女性が来やすい職場には男性もやってくる。人を確保する上で職場環境づくりは大切。経験を伝えてもらうことに、一緒になって工夫させてもらいたい」と話した。