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日刊建設タイムズ社
2015/09/02

【千葉】レッカー導入 車両移動/震源地・香取で液状化対応/県土整備部震災訓練

「2015年度県土整備部震災訓練」が防災の日の1日、県土整備部震災対策組織と各建設業団体らとの合同訓練として、県庁と県内出先機関の震災想定現場で行われ、総勢約1300人が参加。震災時における県県土整備部の防災活動の円滑な実施に加え、(一社)千葉県建設業協会及び各支部、(一社)千葉県電業協会、(公社)千葉県測量設計業協会らとの業務協定に基づく協力体制の一層の充実を図ることが目的。今回から実施機関に千葉県レッカー事業協同組合と(一社)日本埋立浚渫協会が加わり、民間機関が13団体に発展。震源地を想定した香取市では、液状化による放置車両を撤去する道路啓開として、レッカー車による1車線確保の方法と、人力による放置車両の移動を実演し、その訓練状況を県庁・震災対策会議事務局の衛星テレビで確認した。

  新規にレッカー協組ら

 想定地震発生時間は午前7時30分。県北東部の香取市を震源とするマグニチュード7・2の地震が発生。香取地域及びその他県内各地で震度6の場合を想定し、訓練を実施した。訓練項目は、想定地震発生後の道路橋梁施設、河川海岸施設、港湾施設、ダム施設、下水道施設及び公園施設等の点検訓練と、点検結果に関する情報伝達訓練を「震災時における県土整備部の対応計画」(公共土木施設編)及び「県土整備部震災実働マニュアル」(公共土木施設編)に基づいて実施。
  震災訓練スケジュールは、県庁中庁舎4階の県土整備部会議室に設置した「震災対策会議事務局」と、29の出先機関による「現地震災対策班」が、午前8時30分に初動職員を参集するとともに事務局を設置。同45分から震災対策会議事務局が情報収集、被害状況表・個所図作成、対策会議用資料作成(被害状況の整理)に着手する一方、現地震災対策班では、職員等参集状況や被害状況等を収集・報告し、震災対策会議事務局と情報交換した。
  現地震災対策班では、併行してパトロールの実施や応急対策を検討し、建設業協会・電業協会・測量設計業協会らと協働で、パトロールの実施や応急措置など、各事務所で作成する想定訓練企画書に基づく訓練を実施。一昨年からは、大規模災害を想定した国等への支援要請として、具体的に緊急災害対策派遣隊や災害対策用機械の派遣などのシミュレーションを追加した。
  県土整備部震災対策会議事務局では、現地震災対策班からの被害状況情報を収集し「被害報告第一報」を取りまとめ、指導班長から震災対策会議に報告。県土整備部長室に設置した「県土整備部震災対策会議」には、滝浪善裕・災害・建設業担当部長を議長に、吉野毅次長らの副議長、議長補佐のほか、各課長で構成する委員の総勢25人が参集した。
  震災対策会議事務局からの第一報に先立ち、委員らを前にあいさつした滝浪議長は「日本そのものが脆弱な国土の上に成り立っている中で考えると、地震、台風、火山、豪雨、土砂崩れなど、様々な自然災害が発生しやすい状況にある」と述べたうえで「世界大都市災害リスク指数をみても、東京・横浜をはじめとする首都圏そのものが非常に危険な状況にあることは認識して頂きたい。首都直下型地震あるいは南海トラフ地震は、ほぼ必ず起きるものと捉え、日頃から危機感を持ち続け、如何に被害を最小限に抑えられるのか、その取り組みをみんなで進めていきたい」との考えを示した。
  また、昨年11月に災害対策基本法の一部が改正され、交通車両通行の妨げとなる車両を、道路管理者が移動出来るなどの法の整備に言及。「本日の訓練では、基本計画で重要視されている道路啓開訓練において、放置車両の移動を盛り込んだ内容となっている」と述べたうえで「これを契機に、改めて震災対策の認識を深め、実際の地震発生時に適切な対応を取って頂くことをお願いする」と要請した。
  10時09分。県土整備部震災対策会議に対し、県土整備部震災対策会議事務局が10時現在で取りまとめた各現地震災対策班からの「被害報告第一報」を、同事務局の指揮班長が報告。この時点で3事務所で庁舎が被害を受けたことを想定。「東葛土木事務所で窓や壁にひび割れが発生、印旛土木事務所でエレベーターの非常停止、銚子土木事務所では庁舎のひび割れと離れの倒壊。出動人員は初動職員322人が参加した。被害状況については(10時)30分を目標に情報のとりまとめを急いでいる」と伝えられた。
  報告を受けた滝浪議長は、議長補佐に対し、これらの状況を県災害対策本部に報告するように指示するとともに、指揮班長に対しては、各現地震災対策班の今後の対応として「引き続きパトロールや点検を実施し、緊急輸送道路、所管する公共土木施設の被害状況を早急に把握するとともに、被害個所については関係機関との緊密な連携のもと、応急措置や応急復旧に努めてもらいたい」と要請。
  10時26分。再び指揮班長から県土整備部震災対策会議に対し、第2報として被災状況の取りまとめを報告。それによると、県土整備部に係る公共施設被害状況は、道路の段差・亀裂・陥没・液状化などは、直轄国道5路線(5か所)、国道7路線(7か所)、県道13路線(13か所)、有料道路1路線(1か所)、市道1路線(1か所)。交通規制については全面通行止め21か所(うち緊急輸送道路15か所)、片側通行止め6か所(同4か所)となる。河川・海岸の状況は、護岸倒壊や河道閉塞、堤防亀裂など1河川1か所、港湾の臨港道路における段差・亀裂・陥没・液状化などは2地区、3路線(3か所)。臨港道路の交通規制は全面通行止め1か所(うち緊急輸送道路1か所)。下水道は処理施設及び管渠の破損など1か所、県営住宅では倒壊など3施設などの被害を確認した。
  その後、30分過ぎには滝浪議長に「千葉国道事務所の衛星通信車から、香取地域における被災現場(レッカー移動)の画像が配信されたので、状況を確認願いたい」と連絡。各委員は事務局を構える部会議室に移動し、千葉国道事務所衛星通信車からの画像を確認した。k_times_comをフォローしましょう
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