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大分建設新聞社
2015/09/04

【大分】車の流れ大きな変化なし、人の流れ回遊性高まらず、大分市中央通りの車線減少実験

 大分市の中央通り拡幅検証委員会(吉村充功委員長)は2日、検証結果を佐藤樹一郎市長に報告した。
 同委員会の検証内容は、中央通り西側を1車線減線し、歩道を拡幅(仮設工事)した実証実験の、中央通りとその周辺の「交通に関すること」と「にぎわいに関すること」の2点。
 「交通に関すること」については、中央通りを通過する自動車交通に大きな変化はなく、交通混雑や渋滞の大きな変化は確認されず、自動車交通への影響は少なかった。歩行者・自転車などの交通は、JRおおいたシティ開業直後やイベント開催時には一時的に増加の傾向がみられたものの、時間の経過とともに、JRおおいたシティ開業前程度に戻りつつある。
 「にぎわいに関すること」については、国道10号に設置された横断歩道は好評だが、中央通りの東西を横断する人が激減していることから、単に車道幅を減少することで回遊性を高めることはできず、東西の商店街の連携など、にぎわい創出の工夫が必要だとしている。
 中心部商店街などとの連携による憩い空間の提供などは、一定の成果を挙げており、中央通りに限定することなくこうした取り組みの拡大を目指す必要があるとした。
 これら検証結果を踏まえ、中心市街地全体のまちづくりを考える中で、今後の中央通りのあり方について検討していく必要があると報告した。
 報告を受けた佐藤市長は「大変貴重な報告。予算上の制約はあるが、市の都市マスタープランの中で整備を行い、東西商店街の連携を図るなど市中心部のにぎわい創出を目指したい」と述べた。
 吉村委員長は「委員会では様々な立場から様々な意見が出たが、まちのにぎわいを創出したいという思いは同じ。大分の中心部はJRおおいたシティ開業などで大きく変わり、ポテンシャルは高い。これをもう一歩進めたい」と述べた。
 佐藤市長は検証報告をもとに、中央通りの車線のあり方など、年内に方針を決定すると述べた。

提供:大分建設新聞社