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鹿児島建設新聞
2015/09/09

【鹿児島】山川港で路肩崩壊、地元業者が迅速対応

  6日午前6時50分ごろ、指宿市山川成川の国道269号から山川港に通じる長さ50m、幅5mの取り付け道路が崩壊。2次被害防止に向けて、県南薩地域振興局の建設部と農林水産部が垣根を越えて応急資材の袋詰め玉石を調達。それらを地元建設業者が迅速に据え付けし、住民の不安を解消した。建設部河川港湾課の塚田浩之課長は「緊急を要する作業ではあったが、所管の垣根を越えた資材調達は珍しいのでは」と話した。 
 指宿市には当時、大雨洪水警報が発令され、午前7時までの1時間に36oの激しい雨を観測。地域住民が散歩等に利用する生活道路が突然、幅員の半分ぐらいが崩壊した。 
 協力要請を受けた鰹盤建設(尾辻義治社長)と兜沛ョ(福永昭一社長)は、両社が施工する林地荒廃防止施設災害復旧工事(戸ケ峯工区)で使用する予定だった袋詰め玉石(3t)257袋の使用を提案。同局の建設部と農林水産部が協議し、応急対策用として使用することを決めた。 
 鰹盤建設による陸側からのクレーンによる据付と同時に、叶シ園組(西園彰社長)も所有する運搬船で海上からも袋詰め玉石を設置。6日は翌日の深夜2時まで陸上から53個、海上から82個を据え付け、7日は海上から122個を設置。両社の迅速な対応で7日夕に作業を終え、周辺住民の安全を確保した。 
 鰹盤建設の尾辻憲昭専務は「発生から間もなくして連絡があり、すぐに対応した。けが人がなかったのが不幸中の幸い」と語った。 
 崩壊発生の現場を目撃した旅館「くり屋」を営む篠原信明さんは「迅速な対応に感謝。地元業者の存在は頼もしい限り」と話し、「通常通り営業しており、安心して利用して」と呼び掛けた。 
 なお、詳細な崩壊原因については調査中で、今後の対応は未定。