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日本工業経済新聞社(埼玉)
2015/09/10

【埼玉】レジリエント社会研究センター全体会合開催

  埼玉大学は8日、レジリエント社会研究センター第1回全体会合を開催した。大会議室で、同研究センターメンバーが2014年度の活動および15年度の活動予定などについて報告した後、建設工学科1号棟31番講義室へ移り、松本正生教授が『サーベイの危機と社会・世論調査』、桑野二郎教授が『埼玉の地盤と地盤災害事例』をテーマにイブニングセミナーを行った。
 田中規夫センター長はセンターについて「川島町をケーススタディとして、災害時の避難効率を向上させる手法の研究を進めている。さらに、海岸工学分野の技術開発に貢献するため、岩手県大槌町と協定を締結した」と、これまでの活動に触れたほか「発展途上国のスリランカにおいて、持続性が担保される環境汚染防止技術などの開発・導入を目指す」と今後の展望を述べた。
 イブニングセミナーで松本教授は、世論調査における調査法について、旧来型の他記式(面接・電話)の限界と自記式(郵送)の有用性を述べた上で、県との共同で取り組んでいる『人口急減・超高齢社会における政策形成に関する調査研究』などについて解説した。
 また、小川町・鳩山町在住の有権者500人を対象に実施した『人口減少に対応した地域づくり』プレ意識調査で明らかとなった、20〜30歳代の転居意向の高さを受け「足(交通利便性)に対する要望が多く、若い人の定着は交通計画に掛かっている」と分析した。
 続いて講演を行った桑野教授は、液状化による影響で道路舗装下に空洞が生じ、地盤が沈下した事例を挙げ「県内の地盤は軟弱な箇所があり、硬いところと軟らかいところの境界も多い。高度成長から50〜60年が経過し、下水管の破損などに由来する地盤災害の発生なども予想される」と警鐘を鳴らした。
 液状化による地盤災害に対応しては「オーバーレイなど緊急的な対応は荷重を増すので逆効果。注入などにより空洞を減らしたり、軽量土に置き換えるなど荷重を減らすなど根本的な対応が重要」と説明した。