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大分建設新聞社
2015/09/19

【大分】「地域建設業経営強化融資制度」財源が枯渇、電子記録債権を活用

 国土交通省は、公共工事の請負代金を担保に出来高に応じて資金を調達できる「地域建設業経営強化融資制度」の建設企業に対する金利助成などの財源が9月末に枯渇することから、印紙税などの負担を軽減する電子記録債権スキームを導入する。11日、各地方整備局と都道府県・政令市などの発注者に、電子記録債権スキームの円滑な活用を促す通知を送付した。
 この融資制度は、公共工事の出来高が5割以上になった際、工事請負代金を発注者の承諾の下で譲渡担保にし、事業協同組合などが出来高に応じて、受注者の建設企業に転貸融資する制度。
 現在は、融資を受ける建設企業に対しては、国費で造成した「建設業金融円滑化基金」を財源に、金利、出来高査定経費、事務経費(印紙税など)を助成しているが、同基金が9月末の融資実行分で枯渇するため、金利などに対する助成が終了することになった。
 ただ、地域建設業経営強化融資の26年度実績は3341件(融資総額900億円)に上り、年々実績を伸ばしている。国交省は、10月以降も制度自体を存続させる方針を決めており、金利や事務経費の助成がなくなる建設企業の負担を軽減するため、平均4〜6万円の印紙税の納付が不要になる電子記録債権を建設企業が選択できるようにする。
 電子記録債権発行の条件としては、買戻しのない「ノンリコース割引」であることを求め、利用企業の信用で融資額に差が生じないようにする。利用企業による裏書譲渡は禁止するほか、発行日に即時資金化するよう求める。
 電子記録債権を利用するため、今後、電子記録債権の記録・割引を行う各金融機関と債務保証を行う建設業振興基金が約定を結ぶ。電子記録債権の活用を希望する建設企業は、債権の受取人として金融機関に登録手続きを行う必要がある。

提供:大分建設新聞社