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北陸工業新聞社
2015/09/24

【石川】「みんな力を変えていく」/JIA建築家大会金沢が閉幕/公共性×建築を考えた建築フォーラム

 JIA建築家大会2015金沢「みんな力―ともに在る社会へ―」は19日、最終日を迎え、金沢21世紀美術館で4つの建築フォーラムが開かれ、閉幕した。建築の未来や公共性、工芸×建築、北陸力×建築といったテーマから今後の建築や建築家の姿、地域社会との関わりを探った。
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 このうち「建築フォーラム03」ではシーラカンスK&H代表で東洋大教授の工藤和美氏、NAP建築設計事務所の中村拓志氏、埼玉大准教授の内田奈芳美氏、建築家の吉村寿博氏が登壇し、「公共性×建築―「みんなで創る建築」の未来―」を考えた。この中で工藤氏は公共施設の公共性に関し、「目的外利用の人を表彰するようなことがあってもいい。裁量は人間が決めるものであって、法律が人を幸せにするものではない」と述べ、中村氏は地方に活力を呼び戻す仕掛けについて「新しいものをいきなりつくっても飽きられる。その地域らしいもの、誇りを持って肯定できるものでなければならない。建築家は地域経済のことを考えたデザインをすべき」と語った。
 吉村氏が「金沢は新幹線開業で盛り上がっているが、空き家の問題や商業施設がどんどん入ってきて、街が壊れてきている。そこで何ができるのか」と指摘。内田氏は「幸せなローカリティの中で悲観と楽観をどう解釈し、先鋭化していくのかが課題」と語り、工藤氏は「人を受け入れる姿勢が大切で、いろんな人と交流する中でみんな力を変えていけばいい」と述べ、中村氏は「他者へのやさしさを自分の手前からスタートさせる。例えばバス停にちょっとしたベンチを作ってあげれば、たばこの投げ捨てをやめる。そんな仕掛けをみんながつくっていけば、まちが変わっていく」と指摘した。

hokuriku