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大分建設新聞社
2015/09/25

【大分】コンクリート用混和材改質フライアッシュ、建物の長寿命化に不可欠

 産学連携によるコンクリート用混和材の研究・技術開発を進めている、大分大学工学部とベンチャー企業の潟[ロテクノ(大分市)は16日、建設中の国東市庁舎新築工事で採用されている改質フライアッシュの現地見学会を開いた。
 県、市、研究・技術開発関係者、庁舎の設計・監理の鞄券ィ建築事務所、本体施工の鴻池・木戸JVなどの工事関係者、生コン会社などの約100人が参加。
 佐藤嘉昭同大学工学部教授が「新市庁舎に使われている材料は今後の建築物には最適。昨今は自然災害が多発しており、長寿命化や高耐久な建物造りが不可欠。多くの技術者に改質フライアッシュのよさを理解してもらいたい」とあいさつ。
 まず、設計概要と構造計画を鞄券ィ建築事務所が、建築主体工事の清水勇現場代理人が仮設計画や安全・品質管理などを、潟[ロテクノが改質フライアッシュの効果や利点、施工事例などをそれぞぞれ説明した。この後、建設現場で施工状況などを見学した。また、空気量などを確認するコンクリート検査では流動性や粘性を実際に確認した。
 フライアッシュとは、石炭火力発電施設で発生する石炭の焼却灰の一種で、セメントの水和生成物と反応し、硬化する性質を持った副産物。同大学工学部が、コンクリート用混和材として、研究・技術開発した。
 改質フライアッシュは、潟[ロテクノが開発した加熱改質処理装置により、フライアッシュの未燃炭素のばらつきによる品質変動の安定化を図ったもの。同社が製造・販売・事業化支援などを行っている。
 これまで東九州道蒲江トンネルや豊後大野市の消防署建築主体工事、同大学図書館改修工事で採用中。コンクリート構造物の長寿命化と耐久性の向上が期待されている。

提供:大分建設新聞社