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日本工業経済新聞社(山梨)
2015/09/25

【山梨】県総合評価の工事成績、適用外上回る

 県の総合評価委員会の2015年度第1回会合が18日に開かれ、県技術管理課が14年度の実施状況を示した。14年度の適用(契約済み)は544件。工事成績評定点は、総合評価は78・7点で、総合評価以外の一般競争入札の76・2%を上回った。
 県の総合評価は現在、3000万円以上の一般競争入札(緊急性を要する工事を除く)、予定価格1000万円以上のアスファルト舗装工事(施工体制評価型)および解体工事(同)で実施している。
 14年度のタイプ別の実施実績は次のとおり。
 @企業の施工実績や社会性・信頼性などの客観的な項目で評価を行い配置予定技術者の評価は行わない「特別簡易型T」が202件。
 A客観的項目で評価し配置予定技術者も評価する「特別簡易型U」が131件。
 B特別簡易型以外の工事で特別簡易型の評価項目に加え簡易な施工計画の提案を求める「簡易型」が116件。
 C標準的な仕様に対し社会的要請の高い特定の課題などについて技術提案を求める「標準型」が2件。
 D標準型のうち県外企業対象工事で県内企業を下請けに活用することを加算して評価する「県内下請活用審査型」が3件。
 Eアスファルト舗装工事で施工体制を評価する「アスファルト舗装工事」が75件。
 Fとび・土工・コンクリート工事業として発注し施工体制を評価する「解体工事」が15件。
 落札者のうち、技術評価点が最も高かった業者の割合は全体の83・27%。割合は12年度は73・87%、13年度は78・57%だったため、年々上昇している。
 14年度発注工事の成績評定点を、総合評価発注工事と総合評価以外の一般競争で発注した工事を比較すると、総合評価が2・5点上回った。総合評価の方が上回るのは近年続いており、技術管理課では、品質確保や安全施工などで総合評価の優位性が確保されていると委員会で説明した。
 また、県土整備部発注の工事の簡易型で試行している配置予定技術者ヒアリング(工事実績や施工計画など)は、14年度は13件で実施。
 さらに、30歳以下の若手技術者の配置を評価する案件(2点加点。対象は土木一式工事)は、14年度は61件で実施し、そのうち若手技術者を申請した業者の落札は30件で、ほぼ半分だった。
 委員会では、委員が1者入札状況について県に見解を求めた。県では、申請者の辞退があることを紹介し、理由として@積算が合わないA他工事に技術者を専任させるB建設投資の減少などで受注者の技術者が不足している―を挙げた。

15年度は131件実施

 県では15年度も実施方針を変えずに総合評価を適用しており、9月3日契約済みまでに131件で実施している。
 技術者ヒアリングは、15年度は9月3日現在で5件で実施。15年度からは特設事務所でも実施している。今後も入札者が多いと見込まれる案件で試行していく。
 総合評価実施要領の改正では、入札契約適正化法の改正によって、県内下請活用の履行の確保で請負者に提出を求める書類のうち「下請届け」を「施工体制台帳」に15年10月から変更する。