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鹿児島建設新聞
2015/10/01

【鹿児島】産学官連携し担い手育成

 建設業における人材育成事業の一環として、高校の授業枠を使った産・学・官連携による県内初の試み「担い手育成プロジェクト」が9月30日から、薩摩川内市のれいめい高校でスタートした。 
 九州地方整備局川内川河川事務所(加治賢祐所長)と県建設業青年部会の川内支部(外薗太一郎支部長)、宮之城支部(山本一道支部長)がタッグを組み、同校の授業枠を使って、業界をアピール。年内4回の開催を予定しており、学年ごとで授業内容を変えるなど工夫を凝らし、業界の声を生徒に届ける。 
 これまで、同校を対象に現場見学会や1日限りの臨時講師を務めるなど、担い手育成を目的に同事務所や両支部は活動してきた。その結果、同校専攻コース選定で、土木の割合が増加。今年度の意見交換会で、さらに活動拡大が確認され、正式に授業のカリキュラムとして組み込まれた。 
 同日は、工学科の全学年から約80人が参加。1限目は同事務所の秀徳典穂事業対策官が講師を務め、全国でも最大規模となる鶴田ダム再開発事業や建設業の役割りを紹介。「建設業は生活の上で、なくてはならない存在」と訴えた。 
 青年部が担当した2限目は、公共工事の役目や砂防ダムを説明。山本支部長が砂防読本をもとにダムの役割を解説し、模型を使った土石流体験では、被害の違いを実演した。 
 将来、建設業を目指すという1年の永山響己君は「コースはまだ決めていないが土木をもっと調べてみたい」と話した。 
 今回の取り組みを加治所長は「茨城県の喜怒川氾濫など、昼夜問わず復旧作業をするのは建設業。なくしてはいけない世界。担い手確保に特効薬はなく、地道な活動が求められており、こうした機会をいただきありがたい」とコメント。 
 外薗支部長は「専門コースの生徒には建設業を選んでもらい、できれば地元企業に就職してほしい。仕事の楽しさややりがいを伝えたい」。山本支部長は「一部では公共工事は″悪″といった間違った認識があるが、正しい知識を伝えることで、建設業をより身近に感じてほしい」と抱負を述べた。 
 同校の徳留秀樹校長は「実際にプロの方からの生の声を聞くことで生徒だけでなく、教師の刺激にもなる。これからも共に協力しながら生徒の成長を見守りたい」と期待の言葉を寄せた。