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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/10/08

【群馬】庁舎建て替えで課題検討


安中市は新庁舎建設に向け、今後検討すべき課題の洗い出しを始めた。具体的な構想を話し合う検討委員会の設置に先立ち、審議のポイントを明確にする。ことし5月に市幹部らによる初会合を開き、建設の時期や場所、財源、分散する庁舎機能の集約などについて意見を交わした。今後は、先行して庁舎建て替えを行った他の自治体への視察も行い、計画の作成に生かす。
本庁舎は1959年度(昭和34年度)に建設後、1968年度、1985年度、2000年度と3回にわたり増築。東西に延びる庁舎のうち、中央に位置する2ブロック(約3585u)が初めに建てられたもので、内外装ともに老朽化が進む。耐震診断の結果、耐震不足が指摘されており、早期対策が求められている。
市幹部によると、建設地は現在地のほか、その東約150mに位置する旧安中高跡地が案としてあがっている。同校の体育館や格技場は市の施設として活用しているが、校舎は空き施設。現在地での建て替えとなれば、工事中の仮庁舎や来庁者駐車場、来庁者の安全の確保などが必要なため移転のメリットは大きい。現庁舎から近く、県が整備する西毛広幹道からもアクセスしやすいという好立地とあって、有力な候補になりそうだ。
庁舎の規模について市幹部は「まずは松井田支所の機能をどうするか考えてから」と話す。仮に松井田支所の機能を本庁舎に移すとなれば、規模は大きく変わる。ただ松井田支所が入る建物は1996年建設とまだ十分使用が可能で、地元の利便性なども考え「何かしら窓口を残さないわけにはいかないだろう」とみている。
現在市の行政機能は本庁舎を含め9つの施設に分散して配置されている。大半がその施設の管理に適している部署が置かれており、新庁舎建設後もそれらは現状のまま残す可能性が大きいという。
国の方針で本年度中に学校施設の耐震化を終えなければならないため、市はこれまで、その工事に優先的に予算を充てた。地元から強く要望された学校のエアコン設置も予算をやりくりし、本年度から数年かけて設置を進めることになった。改築の時期を迎える公共施設も多く、それらを優先させるため本庁舎の建て替えは先送りされた経緯がある。
2012年6月に合併特例債に関する法改正が行われたことを受け、市はことし3月、今後のまちづくりの方向性を示す「新市建設計画」の一部を変更。計画期間を5年延長し2020年度までとしたほか、整備を進めるべき事業として市庁舎の建設など3事業を追加した。
市は庁舎建設のたたき台となる計画をまとめるため、本年度から準備を始めた。5月に市長をはじめ、総務、財務、建設など各部署の幹部による会議を実施。庁舎建設の必要性や、建設の時期、場所、松井田支所など分散している庁舎の集約など、課題をあげた。
市は本年度中に2回目の庁内会合を開く予定。先行して庁舎整備を行っている自治体への視察も行い、そのノウハウを計画に反映させる。