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宮崎建設通信社
2015/10/09

【宮崎】検討委が発注・入札方式を提言 日向市新庁舎建設工事

 日向市新庁舎建設工事の発注方式や入札方式等について検討を行っていた「日向市新庁舎建設工事発注方式等検討委員会」(委員長=入谷貴夫宮崎大学教育文化学部教授)は、委員会における検討結果をまとめ、今月2日、黒木健二市長に提言書を手渡した。入札手続き等に於ける透明性・客観性・競争性の確保や施工に際しての品質の確保、地域経済活性化、コスト縮減等の観点から、発注方式に「分離発注方式」、入札方式に「最低価格落札方式による一般競争」、入札参加資格要件に「JVのみ」を採用するよう提言した。
 現庁舎東側広場と駐車場敷地に建設する新庁舎の規模は、RC造4階建延べ約1万1500m2。最高高さは約21mで、大地震発生時にも機能が失われないよう、免震構造を採用する。建設にあたっては、新庁舎建設までを1期工事、完成後に行う既存庁舎の解体や駐車場整備等を2期工事と位置付ける。第1期の建設工事費は約50億円。
 建設工事の発注に向けて市は、有識者や市民・行政の代表で構成する検討委員会をことし7月に設置。3回の会合を通じて、▽透明性・客観性・競争性の確保▽品質の確保▽地域経済活性化▽コストの縮減―の観点から、建設工事の発注方式及び入札方式について検討を行ってきたが、委員会としての検討結果をまとめ、黒木市長に提言した。
 このうち、発注方式に関しては、建設工事を工種ごとに分離して発注する「分離発注方式」と、全ての工事を一括で発注する「一括発注方式」について比較・検討した結果、工事の品質確保や責任の所在の明確化、供用開始後の維持管理・メンテナンスのしやすさ、地元業者の受注機会拡大などの観点から、「分離発注方式」が望ましいと提言した。
 入札方式に関しては、「最低価格落札方式による一般競争」と「総合評価方式(特別簡易型)による一般競争」を比較。総合評価方式は、価格と品質に優れた調達が期待される一方、評価基準の設定等が困難であり、透明性や客観性に課題が残ることから、コスト縮減効果も勘案した上で「最低価格落札方式による一般競争入札」の採用を提言した。
 このほか、入札参加資格要件に関しては「JVのみ」と「JV及び単体企業」の2パターンを比較。構成員の技術力の結集等により安定的施工が確保され、JV組成の条件に一定の地域要件を設定することで、地元業者の育成及び受注機会の確保が図られることから、2ないし3の構成員による「JVのみ」を採用することが妥当と位置付けた。
 日向市では、今回の提言内容を踏まえ、工事発注に係る市の方針を定めたのち、入札手続きを開始する。市が先に公表した発注見通し(10月時点)では、第3四半期に一般競争で建設工事の入札を行うこととしており、12月定例会で工事請負契約に係る承認を受けたのちに着工する見通し。平成30年5月の大型連休明けオープンを目指す。