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福島建設工業新聞社
2015/10/15

【福島】担い手確保へ産学官連携/県建設業協会が検討会発足

 県建設業協会は14日、「県建設業担い手確保・育成検討会(座長=奥本英樹福島大学経済経営学類教授)」を立ち上げ、建設専門工事業団体、教育訓練施設、行政機関と連携した、担い手確保・育成の新たな取り組みをスタートさせた。若手技能者の入職促進に向けた協力体制整備と、効果的な教育訓練体系構築を検討していく考えで、約2年間の事業期間内で高校生を対象とした訓練の実施とその評価・検証を行うことを視野に入れている。
 建設業振興基金による地域連携ネットワーク構築支援事業を活用する。建設業団体(総合・専門工事業)と地方公共団体、教育機関(工業高校等)、教育訓練施設、有識者らによる連携ネットワークが行う教育訓練体系構築を目指した取り組みを、同基金が事務局を務める「建設産業担い手確保・育成コンソーシアム」が支援する。
 検討会は県建設業協会と県建設専門工事業団体連合会、テクノアカデミー郡山・浜、福島大学、福島労働局、県商工労働部、県教育庁で構成。各団体・機関の協力体制づくりと、人材確保・育成に向けた既存訓練施設と連携した教育訓練実施などを協議する。
 29年6月ごろまでに4回の会合を予定。担い手確保・育成の現状・課題を把握し対応策を検討した上で、実施スキーム(役割分担等)を決め、アクションプログラム(訓練カリキュラム等)を策定する。28年度末を目標に高校生を対象とした教育訓練をテクノアカデミーで行い、最終会合で訓練の改善策を含め事業報告書にまとめる流れを想定している。
 検討に当たっては、現況把握のためのヒアリング・アンケートや、高校生の進路状況や専門工事業者の採用計画などの調査を行う。訓練のPRなどの広報活動も計画している。
 福島市の県建設センターで開いた初会合では、全体スケジュールなどを協議し、各団体・機関の取り組み、課題等について意見交換した。鈴木武男県建設業協会専務理事が「各企業・団体が知恵を出して入職促進に取り組んでいるが、それぞれの力が結集せず課題となっていた。有効なスキームを考えていきたい」とあいさつ。奥本教授は「検討会は建設業界だけでなく、県民の安全安心という意味でも重要。建設業は裾野が広く、職種も多岐にわたり、雇用面でも大事な産業だが、その点が一般に認識されていない。現状を打破する何らかの方向性や解決策を見出したい」と抱負を述べた。
 検討会メンバーは次の通り。
 ▽座長=奥本英樹(福島大学経済経営学類教授)▽副座長=鈴木武男(県建設業協会専務理事)▽委員=浅沼秀俊(同理事)西川博美(県建設専門工事業団体連合会長)三浦康伸(同副会長)山崎辰哉(県立テクノアカデミー郡山主幹兼副校長)渡邉昭一(県立テクノアカデミー浜校長)星勝洋(同教務主任)菊池光一(福島労働局職業安定部地方訓練受講者支援室長)仁志宏(県商工労働部産業人材育成課長)大沼博文(県教育庁高校教育課長)