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建通新聞社(静岡)
2015/10/16

【静岡】静岡市 南北道路整備、15年度は必要性や効果の検証

 静岡市は、2015年度を計画初年度とする第3次総合計画の中にも位置付けた南北道路整備構想で、15年度は東京コンサルタンツ(東京都千代田区)に委託して交通量推計などを行うとともに、必要性や効果の検証を進めている。
 同道路は、1994年に計画路線として大臣認可を得た地域高規格道路で、新東名高速道路の新静岡インターチェンジ(IC)から国道150号(駿河区大谷・東名高速道路新IC付近)までを結ぶ総延長11`。現在、新静岡ICからあさはたトンネルを抜け、流通センター入り口までの延長3・6`が暫定2車線で整備済みとなっている。
 もともと県事業として進められていたもので、05年に政令市となった静岡市が引き継ぐ形となっている。このため、市では、第3次総合計画の前期(15〜19年度)で、道路の必要性を再検証した上で、地域の声も反映させながらルート選定を進め、後期(20〜23年度)で具体的な準備作業に入っていきたい意向だ。最短で進めば今後8年間の計画年度内での一部工事着手の可能性も考えられる。
 地域高規格道路は、地域の連携、拠点の連結、地域の交流を目的とするもので、南北道路の設計速度は60〜80`となっている。現在の暫定開通区間延長3・6`の構造(トンネル982b、橋梁部1883b、土工部744b)からも推測できる通り、渋滞を回避して地域高規格道路としての設計速度を実現するためには、おおむね高架構造などで通せるルートを選定しなければならない。途中、国道1号、新幹線などのJR線、静岡鉄道線、さらには東名高速道路との交差部をどう通すのかなど難関が待ち受ける。
 市では、国道150号側については、一案として大谷土地区画整理事業で整備した主要地方道山脇大谷線(下大谷線)につなげる青写真も描いている。山脇大谷線は現在、大谷土地区画整理事業地内の延長530b(幅員25b・4車線)が整備済み、その先北へ約0・9`が整備中(2車線→4車線)で、さらにSBS通りまでの1・6`が未整備区間(事業認可済み・現在2車線)となっている。
 山脇大谷線は、その先も小鹿、池田、長沼などを抜けて流通通りへ入る延長18・8`の計画路線(新東名高速道路新静岡ICまで)で、順次事業化して4車線へ拡幅する。市では明らかにしていないが、用地買収などを考慮した場合、南北道路ルートは、同路線を基軸とするのが現実的な選択といえそうだ。
 静岡市の道路ネットワークという観点からは、以前より東西を貫く道路の不足が指摘されてきた。新東名高速道路の新静岡ICと、駿河区大谷に建設が進む東名高速道路の新ICを結び、両高速道路と国道1号などを高規格な道路で連絡して南北軸を強化することで、市の産業の活性化、街中の回遊性を高めるための交通の分散化に期待が寄せられている。

提供:建通新聞社
(2015/10/16)

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