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建設新聞社
2015/10/21

【東北・福島】福島県下郷町のシェッドを採択/国土交通省、東北地方整備局の15年度直轄診断実施箇所

 道路の老朽化対策が重要性を増す中、地方公共団体への支援策として昨年度から直轄診断に取り組んでいる国土交通省は、本年度の直轄診断実施箇所を公表した。東北地方からは福島県下郷町の町道にある沼尾シェッドが採択された。これを受けて東北地方整備局は今月23日に、高所作業車を用いた近接目視などの現地作業を行うと発表した。
 下郷町小沼崎字上ハ平地内の町道沼尾線にある沼尾シェッドは、積雪や土砂崩れなどからの防護を目的に1958年ごろから90年ごろにかけて段階的に整備した全長約189b、幅員4bの施設。当初は県が管理していたが、大川ダム建設による付替道路完成に伴い所管が町に移行した。最寄り病院への緊急搬送を担う路線上にあり、安全の確保が欠かせない。
 シェッドの現状は、上部に土砂が堆積している上、主梁・横梁・支柱部などにひび割れやうき、鉄筋露出といった損傷が散見されている。また、建設年次によって全体は大きく4タイプに分けられ、箇所によって構造体が異なり、部分的に補強を施しているが図面は残っていない。町では2013年に点検調査を発注しているが、技術職員が1人しかいない現状も踏まえ、修繕に向けた対応が困難であることから直轄診断を要請していたもの。整備局職員をはじめとする「道路メンテナンス技術集団」は、23日に最初の現地作業を行い、その後も数回に渡って点検を行う予定だ。
 直轄診断は、技術職員が不足している自治体への支援策として、整備局職員などで編成する技術者が診断を行い助言を行うもの。制度を創設した昨年度は福島県三島町の三島大橋などで実施した。本年度は沼尾シェッドのほか、奈良県十津川村の猿飼橋と佐賀県唐津市の呼子大橋の計3カ所で行う。

 提供:建設新聞社