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建設経済新聞社
2015/10/22

【京都】亀岡駅北の京都スタジアム 基本設計で延5万9200u

 京都府が亀岡市保津町に計画の球技専用の京都スタジアム(仮称)について、基本設計の内容が明らかになった。
 基本設計でスタジアム本体の概算工事費を算定したところ建築費の高騰等で約179億円となったことから、コスト縮減を図るためプロポーザル方式を導入。「ゼロタッチ」「全席を覆う屋根」「ゆったり感のある・見やすい観客席」などハイレベルな観戦環境の創出に加え、アユモドキ保全等に必要な「施設の基礎構造(ベタ基礎)」、治水対策上で必要な「地下ピット設置等」は実施設計にも反映させる。
 他府県のデザインビルド+プロポーザルによる例(南長野総合球技場新築、等々力陸上競技場改修)で約14%程度のコストが縮減されていることから、これを参考にコスト縮減を目指す額を約25億円(約179億円×14%)と見込み、事業費(実施設計費2億円を除く)を約154億円と設定。5月20日開催の京都府公共事業評価に係る第三者委員会に諮った。
 スタジアムの建設地はJR亀岡駅北約250mに位置する亀岡市保津町鐘鋳島他(亀岡市都市計画公園内)。敷地面積は13万9000u。
 アユモドキ等の自然と共生するスタジアムを実現する「調査・実証実験結果反映型新公共事業モデル」を採用。実施設計と工事を一括発注するデザインビルド方式とする。計画建物の面積が亀岡市の都市公園条例の基準を超えていたことが判明したため、府と市は協議を進め条例に対応する方針。
 事業期間はスタジアム本体で27〜29年度の3年間。フィールドは128m×83・7m(サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどの球技が可能)。入場可能数は2万人程度。年間集客数は約26万人を想定する。
 基本設計によると、スタジアムの建物規模は(スタンド)RC造一部S造及び(屋根)S造地下1階地上5階建、延5万9200u(建築面積2万3100u)。建物高さは35・5m。
 フロア構成をみると、地下1階(1万8680u)は駐車場等で、1階(1万4100u)は西側にエントランスホール、運営本部室、ウォームアップエリア、更衣室、記者会見室等、東側にサッカーミュージアム、ミニシアター、カフェ、ショップ、クライミングウォール、ジョギングステーション、スタジオ、特化型ジム等、北側に備蓄倉庫、中継スタッフ控室、北西側に防災センター等、南側に器具庫、ボランティアスタッフ控室等を配置。2階(4210u)はロビー、多目的会議室、備蓄倉庫、倉庫等。3階(1万3640u)は売店、倉庫、救護室、授乳室等。4階(6440u)は西側にVIPラウンジ、ビジネスラウンジ、厨房等を配置する。5階(2130u)は西側にメディアラウンジ、実況放送室、場内放送室、記録室、消防司令室、大型映像装置操作室、記者席、警察司令室、警備本部室等、東側に展望レストラン、展望スタンド、スカイボックス、厨房、展望デッキ、バルコニー等を配置する。
 配置計画によると、アユモドキが生息する地域への影響を回避するため、スタジアムの軸を20度回転し、スタジアムを敷地北西に寄せる。また敷地内に現存する3つの水源を避けた位置とする。
 桂川氾濫時の遊水機能確保のため敷地南東側の霞提を避けてスタジアムを配置し、盛土部分を限定することで治水機能の維持に配慮する。
 スタジアム、芝生広場、にぎわい施設が有機的に連携するようトライアングル状に近接して配置。にぎわい施設は南アプローチ広場からアクセスできるバックスタンド側2階に配置する。
 観客と選手の一体感を高めるため「ワンスロープ」のスタンド断面構成とする。ボマトリー(トンネル通路)から横通路に接続し、上下段の観客席に到達するわかりやすい動線とする。
 スタンドの平面形は「4枚の花びら型」で、全体として楕円形をしたスタジアム形状とする。コーナー部を分離することで芝の通風に配慮する。
 治水計画によると、遊水量が減少する盛土部分は南アプローチ広場及び北側アプローチ動線のみとし、必要最小限とする。盛土部分は可能な限り法面とする。遊水量は1357m3(盛土部分マイナス4万9858m3、法面部分マイナス6325m3、鍬取り部分2万4437m3、遊水ピット部分3万3103m3)。
 スタジアムの基本設計は日建設計大阪オフィス(大阪市中央区)。