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日刊建設タイムズ社
2015/10/23

【千葉】本年度で基本方針/成田市卸売市場再整備/デロイトで輸出拠点調査

 卸売市場の再整備を進める成田市は、本年度で市場の整備方針をまとめるとともに、市場の輸出拠点化に向けた調査を実施する。市長が成田市公設地方卸売市場運営審議会に卸売市場整備基本方針を諮問し、答申を得て方針をまとめ、来年度で再整備に向けた基本計画、基本設計などを進める。また、市場の輸出拠点化に向けて、成田市場輸出拠点化推進協議会が輸出拠点機能等調査を実施する。調査業務は、研究会で調査を担当したデロイトトーマツコンサルティング(東京都千代田区丸の内2―4―1)に委託する予定。
  市場の再整備については、市長からの諮問を受けて成田市公設地方卸売市場運営審議会が2013年度に「成田市場の今後のあり方」について答申。答申では、整備手法として青果棟と水産棟を管理棟・青果棟の位置に集約し整備する現地再整備を適当とし、運営手法として指定管理者の導入や公設公営を検討するよう求めた。
  答申を受けた市は、昨年度で「卸売市場再整備に係る施設規模等検討及び基本方針策定支援業務」をパシフィックコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区新田町1―7)に委託し、審議会から答申のあった現地での再整備についての有効性を調査した。
  市場の再整備は、市場の輸出拠点化を図り、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催前の19年度ごろの完成を目指している。
  一方、輸出機能拠点調査では、空港内で行っている産地証明、植物検疫、通関、爆発物検査などの輸出手続きを市場内で実験的に行い、将来的な課題を抽出する。具体的には、ロンドンへ輸出する野菜、青果物を対象に実施。来年度は他のEU圏で水産物を対象に実証実験を行い、継続的に実施できるようにする。
  輸出拠点化では、農林水産物の輸出拡大を図る国家戦略特区として「成田卸売市場を活用した輸出拠点整備(検疫・通関の一元化)」での実施を目指していたが、現行法で適用できないか検討している。
  市場の輸出拠点については、成田市場輸出拠点化研究会が昨年度、国家戦略特区として「成田卸売市場を活用した輸出拠点」を目指す「成田市場の輸出拠点化プロジェクト」を提案した。
  同プロジェクトでは、東日本における農業生産の振興に寄与することや、日本の農林水産物の価格競争力の強化、1年を通じて安定した品質で安定量を輸出できる体制の構築を図ることで、農林水産物の輸出拡大に貢献することを目指す。これにより、@遠隔地の国々への輸出実績が少ないA物流コストが高く手続きに時間を要するB単品・産地単位の輸出が多く、安定供給できない――などの課題を克服することとした。
  輸出拠点化では、EU、中東、南米など空輸に適した約4000q以上の遠隔地を重点ターゲットに、輸出手続きのワンストップ化、東日本の産地とのネットワーク化による通年安定供給、情報提供、商談及び決済のワンストップ化などの施策を実施。海外バイヤー、生産者向けに成田市場の利用価値を明確化することで、成田市場をブランド化しPRする。
  なお、調査を行う成田市場輸出拠点化推進協議会は、同研究会を組織替えして新たに立ち上げたもの。k_times_comをフォローしましょう
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