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建通新聞社(静岡)
2015/10/30

【静岡】静岡市がリニアで要望書 トンネルや道路整備求める

 静岡市は、中央新幹線(リニア)整備に関する要望をJR東海に提出した。23日、山本克也副市長が、JR東海本社を訪れ要望書を手わたした。この中で、市は、関連県道へのトンネル新設や既設道路の拡幅、林道の拡幅や線形修正、橋梁改修などを要望した。
 要望書は、8項目、大別すると@発生土処理・水環境などの環境A一般道、林道整備B地域の活性化、安全などC本市の地方創生の取り組みへの協力―などに関する四つとなっている。
 建設に関わる要望は、主に@とAの内容。@の発生土については、市から申し入れていた扇沢への建設中止が、9月の第2回静岡市中央新幹線(リニア)建設事業影響評価協議会で決まったばかり。それ以外の六つの予定箇所に代替地を求めることとなっている。市では評価、発生土置き場ごとの管理の徹底を求めた。
 @の水環境については、現在、大井川などへの流量減少の懸念に対し、JR東海側は、三つの導水トンネルの建設案を検討している。腹案の段階で、市に対して明確な提案はないが、市では、このケースで下流域の水量減が解消された場合でも、途中の地域の水量減少などを懸念、十分な調査と予測、対応を求めた。導水トンネル案は、ケース1・虎杖(延長約12`)、ケース2・椹島(延長約12`)、ケース3・畑薙(第1ダム貯水池付近・延長約22`)の3ルート。
 Aの一般道については、県道三ツ峰落合線、県道アルプス公園線が市民の重要な生活道路であり、工事期間中、工事完了後の消防、救急、救助活動なども考え、トンネル新設と拡幅などの整備を求めた。
 林道については、林道規定に規程される一級林道の構造での整備、橋梁の安全対策、工事期間中の工事関係車両の通行を管理できる専用ゲートの整備を求めた。
 市が具体的な内容を明示した要望書を提出したのは今回が初めてで、対策本部会議(座長・山本克也副市長)でとりまとめた。市では今後も、自然環境、生活環境への影響を防止する観点から必要に応じてJR東海側に対応を求めていく。

提供:建通新聞社
(2015/10/30)

建通新聞社 静岡支社