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建通新聞社四国
2015/11/06

【香川】香川県ため池耐震化整備検討委 5池で耐震化補強必要

 第8回香川県ため池耐震化整備検討委員会(委員長・毛利栄征茨城大学農学部教授)が10月28日に開かれ、県内7市1町・20池のため池耐震点検調査結果を検証した。このうち堤高10b未満の白川原大池(さぬき市)、龍満池(高松市)と買田池(善通寺市)の3池のほか、堤高10b以上の玉川池(坂出市)と一ノ谷池(観音寺市)の2池を合わせた5池が国の現行基準である安全率1・2に届かないとして、耐震化補強工事が必要との判断を示した。5池について県農政水産部は2015年度中に工法や工事費を盛る基本計画を作成し16年度以降の耐震補強の実施設計と工事着手に備える考えだ。
 県は、堤高10b未満のため池の▽田面新池(さぬき市)▽白川原大池(さぬき市)▽中王田池(さぬき市)▽平木尾池(三木町)▽五分一池(高松市)▽住蓮寺池(高松市)▽糠山池(高松市)▽龍満池(高松市)▽衣掛池(高松市)▽柳池(丸亀市)▽庄ノ池(丸亀市)▽宮池(丸亀市)▽上池(丸亀市)▽買田池(善通寺市)▽田井新池(三豊市)―の15カ所でボーリングなど耐震点検調査を実施。今回の検討委に安定解析等の診断結果を提示した。
 また、防災上重要度の高い堤高10b以上のため池で▽田渡池(高松市)▽御厩池(高松市)▽玉川池(坂出市)▽一ノ谷池(観音寺市)▽戸川ダム(三豊市)―の5カ所で国の現行基準での安定計算に加え、南海トラフを想定した長時間地震動に対するため池の堤体の強度低下を考慮した解析結果を示した。
 これらの解析データを基に総合的に判断した結果、堤高10b未満のため池で3池、堤高10b以上で2池の5池で耐震補強工事が必要と判断。一方で南海トラフ想定の地震動に対し、堤高10b以上のため池5カ所で行われた検証では「堤体が直ちに決壊に至るような大きな強度低下は示さない」ことも確認できた。
 東日本大震災でため池の決壊による甚大な被害が発生したことから、県では南海トラフ地震などに備え、11年度から貯水量10万d以上の大規模ため池137カ所を対象に、耐震点検調査を展開。これまでに83カ所で検討委での検証が完了しており、残り54カ所も16年度中に開催される検討委で検証を終了する予定。
 これまで検討委の総合判断で耐震化補強が必要とされた、ため池は13年度が2池(石神池、逆瀬池)で、すでに石神池の耐震化補強工事は完了した。14年度は14池、15年度は今回の5池を含め9池が対象になった。14年度の14池のうち7池は耐震補強工事に着手済み。残り7池は実施設計の段階。15年度の9池のうち、6月に開催された検討委で耐震化補強が必要とされた4池は押さえ盛土を中心に耐震工法や工事費などを盛る基本計画を作成中。今回の検討委の総合判断で耐震補強が必要とされた5池は、本年度中に基本計画を作成する。県はこれら9池について16年度からの工事採択を目指す。
 第8回検討委で耐震化補強工事が必要と判断された、ため池の概要は次の通り。
 ▽白川原大池―堤高9・8b、堤長156b、貯水量10万8000d▽龍満池―堤高8・8b、堤長520b、貯水量52万8000d▽買田池―堤高9・5b、堤長597b、55万9000d▽玉川池―堤高15・2b、堤長151b、12万5000d▽一ノ谷池―堤高12b、堤長340b、66万3000d

提供:建通新聞社